2018年9月26日水曜日
0924 第三十七回 テアトル・ノウ
東本願寺の能楽堂は庭を挟んで客席がある作り。青もみじや松の緑が美しく、雲りがちの空の色もよかった。音の抜けがいいのか、お囃子が柔らかく聞こえ、謡の詞も聞きやすかった。
「経正」
シテの味方玄はさっと首をきる動きがキリリとして印象的だった。
「柑子」
和泉流だからか、小笠原匡のセリフ回しはのんびりしているように感じた。
「融」
前シテの翁は最後、舞台のヘリから桶を垂らして水をくむ仕草。
0922 ハイバイ「て」
抑圧的な父のおかげでバラバラな家族。攻撃的な長兄の態度や噛み合わない家族のやり取りが、観ていて辛くなる。前後半で同じ場面を違う視点から見せる演出。痴ほうの祖母に辛く当たる長兄が別のところではかいがいしく介護していたり、家族を再び結び付けようと奮闘する長女が嫁ぎ先で嫌な目に合って逃げてきたりと、1回目では見えなかったことが見えてくる。母役の浅野和之が抑えた演技ながら、離婚を考えたことがないのかと長女に問われて泣くところが印象に残った。
9月22日 松竹座大歌舞伎 西コース
「道行初音旅」
壱太郎の静御前は可憐。愛之助の忠信は動きがバタバタしてるきらいはあるが、男雛女雛で決まるところなどは美しい一対だった。静とは恋人同士にしか見えん。猿弥の逸見藤太のおかしみ。
「川連法眼館」
愛之助の忠信は本物が武士らしく重々しいのはともかく、狐忠信があんまり可愛くない。動きも軽やかさに欠けて、残念な限り。狐になって回るところも遅いし…。この演目は踊りの上手い人に分があるなぁと再認識した。
壱太郎の静御前は可憐。愛之助の忠信は動きがバタバタしてるきらいはあるが、男雛女雛で決まるところなどは美しい一対だった。静とは恋人同士にしか見えん。猿弥の逸見藤太のおかしみ。
「川連法眼館」
愛之助の忠信は本物が武士らしく重々しいのはともかく、狐忠信があんまり可愛くない。動きも軽やかさに欠けて、残念な限り。狐になって回るところも遅いし…。この演目は踊りの上手い人に分があるなぁと再認識した。
0921 上方花舞台
「寿式三番叟」
猿之助の翁、勘十郎の千歳、若柳吉蔵と尾上菊之丞の三番叟という配役で、素踊り。踊り上手の共演なので悪かろうはずはない。菊之丞が手足の長いスマートな体型なので、吉蔵は損して見えた。
「石橋」
尾上右近の父獅子に、中村鷹之資の子獅子、中村梅丸の女獅子。花道から本舞台に移動しながらの毛振りで、動線の乱れか梅丸と鷹之資がぶつかったようで、毛が乱れて動きが止まってしまったのが惜しかった。三人並んだところでは、右近がこれでもかという高速毛振りを見せつけていた。
「黒塚」
猿之助の鬼女のみ歌舞伎の拵えで、あとは直面に能装束だったが、違和感はなかった。猿之助は怪我から復帰して初めての黒塚だったが、軽やかな舞で、花道で仏倒れのように倒れるなど、不自由を感じさせなかった。
猿之助の翁、勘十郎の千歳、若柳吉蔵と尾上菊之丞の三番叟という配役で、素踊り。踊り上手の共演なので悪かろうはずはない。菊之丞が手足の長いスマートな体型なので、吉蔵は損して見えた。
「石橋」
尾上右近の父獅子に、中村鷹之資の子獅子、中村梅丸の女獅子。花道から本舞台に移動しながらの毛振りで、動線の乱れか梅丸と鷹之資がぶつかったようで、毛が乱れて動きが止まってしまったのが惜しかった。三人並んだところでは、右近がこれでもかという高速毛振りを見せつけていた。
「黒塚」
猿之助の鬼女のみ歌舞伎の拵えで、あとは直面に能装束だったが、違和感はなかった。猿之助は怪我から復帰して初めての黒塚だったが、軽やかな舞で、花道で仏倒れのように倒れるなど、不自由を感じさせなかった。
0919 ヨーロッパ企画「サマータイムマシン ワンスモア」
休憩10分を挟んで2時間40分というのでげんなりしたが、思ったより短く感じた。タイムマシンで行ったり来たりするのがテンポよく、早替りのバタバタぶりが面白い。過去と現在の関係が頭の体操になるのかも。
写真部の女の子を演じた客演の藤谷理子が可愛く、嫌味のない雰囲気で好感。
写真部の女の子を演じた客演の藤谷理子が可愛く、嫌味のない雰囲気で好感。
9月16日 文楽9月公演 第二部
「夏祭浪花鑑」
住吉鳥居前から団七内までの通しで話がよく分かる。磯之氶のどうしようもなさとか、団七のしょうもなさとか。
住吉鳥居前の段の口は咲寿・友之助。浄瑠璃らしい語りにはなっていたが、少々元気が良すぎるか。三婦、お梶らの語り分けはできていたが、キャラがちょっと違うように感じた。三婦が声のトーンは若いのに爺さんのようなゆったりした口調。奥は睦・勝平。勝平の三味線は明朗でいい。睦の三婦は若すぎ?団七は悪くないと思うのだが。
内本町道具屋の段は口が亘・清公。ハキハキとした語り。清公はきっちり。奥は三輪・宗介。磯之氶のダメ男ぶりったら。
道行妹背の走書は織、芳穂、文字栄、南都に団吾、清丈、錦吾、燕二郎。
釣船三婦内の段は口が小住・寛太郎。堂々とした語りで声がよく出てる。奥の呂勢・清治は今公演イチかも。人物の語り分けが明快で、聞いていてストレスが少ない。何より、お辰の格好良さ。人形の簑助も最近ないくらい生き生きしてて、ちょっと首を傾げたり、肩を入れたりする仕草が体で語るよう。焼きごて後の三婦の「出来た!」はちょっと性急でもうちょっと間があってもいいように思ったが。
長町裏の段は織、三輪に清志郎。三輪の義兵次は嫌味とねちっこさがいい塩梅で、織とのやりとりがスリリング。清志郎のキッパリした音色も盛り上げた。人形は勘十郎の団七が慣れたものだが、玉男の義兵次が珍しい汚れ役。ラストで徳兵衛が雪駄を拾わないのはなぜ?
田島町団七内の段は文字久・清介。のびのびした語りで、いい声が出てるのがいいなと思ったが、50分ほどの持ち場が長かった。つまらないのはホンのせいか、演者のせいか。アトは希・清丈。
住吉鳥居前から団七内までの通しで話がよく分かる。磯之氶のどうしようもなさとか、団七のしょうもなさとか。
住吉鳥居前の段の口は咲寿・友之助。浄瑠璃らしい語りにはなっていたが、少々元気が良すぎるか。三婦、お梶らの語り分けはできていたが、キャラがちょっと違うように感じた。三婦が声のトーンは若いのに爺さんのようなゆったりした口調。奥は睦・勝平。勝平の三味線は明朗でいい。睦の三婦は若すぎ?団七は悪くないと思うのだが。
内本町道具屋の段は口が亘・清公。ハキハキとした語り。清公はきっちり。奥は三輪・宗介。磯之氶のダメ男ぶりったら。
道行妹背の走書は織、芳穂、文字栄、南都に団吾、清丈、錦吾、燕二郎。
釣船三婦内の段は口が小住・寛太郎。堂々とした語りで声がよく出てる。奥の呂勢・清治は今公演イチかも。人物の語り分けが明快で、聞いていてストレスが少ない。何より、お辰の格好良さ。人形の簑助も最近ないくらい生き生きしてて、ちょっと首を傾げたり、肩を入れたりする仕草が体で語るよう。焼きごて後の三婦の「出来た!」はちょっと性急でもうちょっと間があってもいいように思ったが。
長町裏の段は織、三輪に清志郎。三輪の義兵次は嫌味とねちっこさがいい塩梅で、織とのやりとりがスリリング。清志郎のキッパリした音色も盛り上げた。人形は勘十郎の団七が慣れたものだが、玉男の義兵次が珍しい汚れ役。ラストで徳兵衛が雪駄を拾わないのはなぜ?
田島町団七内の段は文字久・清介。のびのびした語りで、いい声が出てるのがいいなと思ったが、50分ほどの持ち場が長かった。つまらないのはホンのせいか、演者のせいか。アトは希・清丈。
9月15日 Noism「Romeo & Juliets」
精神病院のような空間に白い衣装のダンサーと俳優たち。ジュリエットが5人というのが面白い。看護師役の井関佐和子がベリーショートの金髪で、立ち姿の美しさもあって目を惹く。2人の看護師は胸と尻に詰め物をして強調したフォルムなのはどんな意図なのか。ロミオ役の俳優は声が低く、重々しいセリフまわしが老成した中年男のよう。ロミオって若者じゃなかったっけ?車椅子ということもあり、苦悩する青年の姿。
医師役の金森穣か2幕の冒頭ソロで踊り、キレのある動きが爽快。井関とのパドドゥもあり、満足。
ラストは白い布に包まれたジュリエットをひらくと井関。死んだと思って命を絶ったロミオとのパドドゥは車椅子を使った動きのあるもの。ラストはロミオと看護師がオーケストラピットに飛び込み、舞台上のすだれのような囲いがばさりと落ちて暗転。印象的な演出だった。
医師役の金森穣か2幕の冒頭ソロで踊り、キレのある動きが爽快。井関とのパドドゥもあり、満足。
ラストは白い布に包まれたジュリエットをひらくと井関。死んだと思って命を絶ったロミオとのパドドゥは車椅子を使った動きのあるもの。ラストはロミオと看護師がオーケストラピットに飛び込み、舞台上のすだれのような囲いがばさりと落ちて暗転。印象的な演出だった。
9月15日 文楽9月公演 第一部
「良弁杉由来」
志賀の里の段
睦、小住、亘、碩に清友、ツレに友之助、錦吾。睦の高音が相変わらず辛い。小住になるとほっとする。が、語り方に咲の影響がでてないかい?
人形は和生の渚の方に品がある。鷲は文楽劇場の時より小ぶりでリアルな感じ。
桜宮物狂の段
津駒、津国、芳穂、咲寿に藤蔵、清馗、寛太郎、清公、清允。
「光丸は何とした。なぜ誘っておじゃらぬぞ」のセリフにうるっときた。
寛太郎が神妙な表情なのは、寛治のことがあるからか。
「東大寺の段」
靖・錦糸。靖がのびのびしているのはいいのだが、声はあまり出ていないような。錦糸も珍しく穏やかな表情。錦糸の三味線はちょうどいい加減で聞いていて心地よい。
「二月堂の段」
千歳・富助。出だしから格調高い語りなのは結構なのだが、やはり途中で意識が途切れてしまった。光丸が攫われる件とか、通しだとさっき見たばかりなので説明は不要というか、退屈してしまうのだと思う。メリヤスで寛太郎と清公の姿を確認。
「増補忠臣蔵」
前を呂・団七、切を咲・燕三。
決して大きすぎはしない団七の三味線にかき消されてしまう呂って…。盆が回って出てきた咲は朗読劇のよう。もはやこの人が元気だった頃の語りを思い出せなくなっている。
志賀の里の段
睦、小住、亘、碩に清友、ツレに友之助、錦吾。睦の高音が相変わらず辛い。小住になるとほっとする。が、語り方に咲の影響がでてないかい?
人形は和生の渚の方に品がある。鷲は文楽劇場の時より小ぶりでリアルな感じ。
桜宮物狂の段
津駒、津国、芳穂、咲寿に藤蔵、清馗、寛太郎、清公、清允。
「光丸は何とした。なぜ誘っておじゃらぬぞ」のセリフにうるっときた。
寛太郎が神妙な表情なのは、寛治のことがあるからか。
「東大寺の段」
靖・錦糸。靖がのびのびしているのはいいのだが、声はあまり出ていないような。錦糸も珍しく穏やかな表情。錦糸の三味線はちょうどいい加減で聞いていて心地よい。
「二月堂の段」
千歳・富助。出だしから格調高い語りなのは結構なのだが、やはり途中で意識が途切れてしまった。光丸が攫われる件とか、通しだとさっき見たばかりなので説明は不要というか、退屈してしまうのだと思う。メリヤスで寛太郎と清公の姿を確認。
「増補忠臣蔵」
前を呂・団七、切を咲・燕三。
決して大きすぎはしない団七の三味線にかき消されてしまう呂って…。盆が回って出てきた咲は朗読劇のよう。もはやこの人が元気だった頃の語りを思い出せなくなっている。
0902 二兎社「ザ・空気 ver.2」
官邸記者クラブで見つかった総理記者会見の想定問答を巡って、フリージャーナリスト、リベラル系新聞社、保守系新聞社、公共放送の記者たちの思惑が交錯する。現政権を彷彿とさせる風刺の効いた芝居で、ドキリとするセリフが多い。総理と頻繁に会食する保守系新聞の論説主幹(松尾貴史)は「総理との会食は戦場。近づかないとネタが取れない」「近づいても取り込まれなければ批判はできる」と嘯く。リベラル系新聞のキャップ(眞島秀和)は書いても書いてものらりくらりとかわされ、「読者には真実には飽きた」と言われることへの疲弊感。フリージャーナリスト(安田成美)の「メディアに怒るな、メディアを作れ」というセリフは理想のようではあるが、なかなか難しいことだ。「いずれ発表される情報を少し早く報道するのはスクープじゃない。調査報道こそすべきこと」というのももっともだが、発表されたことをチェックし、ウォチしていく機能も大事。記者クラブの弊害はもちろんあるけれど、記者クラブがあるから記者会見を開き、情報を出してている面もあるわけで。
0831 コーラスライン
ちゃんと舞台で観たことないなぁ、と行ってみた。衣装はあえて古臭くしているのだろうが、踊りの古いのはダサく見えてしまう。さすがハリウッドと言うべきか、オーディションに落ちる役の人は多分わざと下手に踊ってるのよね?ピルエットがぐらついたり、手や足の角度が変だったりって、日本だと単に下手なだけだったりするから…。
意外にも、それぞれのキャラに見せ場が用意されていて、ソロの歌がある。が、何もない舞台でのソロ歌唱が続くのはちょっと退屈。ゲイが何人かいたのは当時としては革新的だったのかな。
意外にも、それぞれのキャラに見せ場が用意されていて、ソロの歌がある。が、何もない舞台でのソロ歌唱が続くのはちょっと退屈。ゲイが何人かいたのは当時としては革新的だったのかな。
0830 笑えない会 試演会
落言「太郎冠者伝説2」
舞台下手で落語家が喋り、狂言師が芝居するというもの。進行役は落語家で、劇中劇を狂言で演じるような。
学校にゲーム機を持ってきた児童からゲーム機を没収した先生がゲームで遊び出す。太郎冠者伝説という、ロールプレイングゲームは太郎冠者が弱すぎてつまらないと思ったら、色々な隠しモードがあって…という展開。ファミコン以降のゲームは知らないというよね吉がゲーム用語に苦戦し、落語モードで千五郎が落語のさわりを披露したり、ミュージカルモードで宝塚のベルばらやレミゼラブルを歌ったり。歌詞が入っておらす、レミゼはだいぶグダグダだったが、それがかえって面白かった。
舞台下手で落語家が喋り、狂言師が芝居するというもの。進行役は落語家で、劇中劇を狂言で演じるような。
学校にゲーム機を持ってきた児童からゲーム機を没収した先生がゲームで遊び出す。太郎冠者伝説という、ロールプレイングゲームは太郎冠者が弱すぎてつまらないと思ったら、色々な隠しモードがあって…という展開。ファミコン以降のゲームは知らないというよね吉がゲーム用語に苦戦し、落語モードで千五郎が落語のさわりを披露したり、ミュージカルモードで宝塚のベルばらやレミゼラブルを歌ったり。歌詞が入っておらす、レミゼはだいぶグダグダだったが、それがかえって面白かった。
0830 若手素浄瑠璃の会
「寺子屋の段」
亘・清公。亘は慎重な運びが師匠譲りか。はっきりとした発生は好印象。語り分けがまだまだで、源蔵が重すぎ、松王が軽すぎる。(要するに2人とも同じよう)清公は出だし硬く、ミスタッチが目立った。後半持ち直したが、はっとするほどではなかった。
「金殿の段」
咲寿・燕二郎が予想を超えてよかった。咲寿は浄瑠璃らしい語りになっていたし、お三輪の必死さが感じられた。なにより、話の中身がちゃんと頭に入ってきたのが、亘との違い。残念だったのは嫉妬にかられるところで、ドロドロとした情念というより義憤に燃えるいい子ちゃんみたいで共感できす。熱演だったのに拍手がなかったのは多分そのせい。燕二郎はよく手が回るし、音もクリアで気持ちいい。
亘・清公。亘は慎重な運びが師匠譲りか。はっきりとした発生は好印象。語り分けがまだまだで、源蔵が重すぎ、松王が軽すぎる。(要するに2人とも同じよう)清公は出だし硬く、ミスタッチが目立った。後半持ち直したが、はっとするほどではなかった。
「金殿の段」
咲寿・燕二郎が予想を超えてよかった。咲寿は浄瑠璃らしい語りになっていたし、お三輪の必死さが感じられた。なにより、話の中身がちゃんと頭に入ってきたのが、亘との違い。残念だったのは嫉妬にかられるところで、ドロドロとした情念というより義憤に燃えるいい子ちゃんみたいで共感できす。熱演だったのに拍手がなかったのは多分そのせい。燕二郎はよく手が回るし、音もクリアで気持ちいい。
0902 人形劇団クラルテ「はてしない物語」
新神戸オリエンタル劇場の広い舞台を存分に使ってスケール感をもってファンタジーの世界を表現するした。様々な登場人物が客席から登場する演出も、客席が物語の中に入り込んだような効果。バスチアン役は幼少期から気弱な少年、ファンタージエンに行ってからの傍若無人りを演じ分け、アトレーユは終始凛々しく好演。フッフールが飛ぶと舞台の空気が塗り替えられるようだ。
ただ、ミヒャエル・エンデの名作ファンタジーの舞台化への期待が高すぎたせいか、少々物足りなかったかも。あの長編を2時間余に収めるだから、前半のアトレーユの冒険があっさりしてたのは仕方ないにしても、後半、記憶を失ったバスチアンが現実世界に帰るのに、アトレーユの関与が少なかったような。変わる家で父親の夢を見たことが帰るきっかけとして描かれたが、名前すら思い出せないバスチアンに代わって思い出を語ったり、ファンタージエンで始めた物語の終わりを引き受けたりといったくだりが省かれたのが残念。父親のもとに戻ったところでも、「いなくなった間に逞しくなったみたいだ」みたいなセリフがあるといいと思った。
ただ、ミヒャエル・エンデの名作ファンタジーの舞台化への期待が高すぎたせいか、少々物足りなかったかも。あの長編を2時間余に収めるだから、前半のアトレーユの冒険があっさりしてたのは仕方ないにしても、後半、記憶を失ったバスチアンが現実世界に帰るのに、アトレーユの関与が少なかったような。変わる家で父親の夢を見たことが帰るきっかけとして描かれたが、名前すら思い出せないバスチアンに代わって思い出を語ったり、ファンタージエンで始めた物語の終わりを引き受けたりといったくだりが省かれたのが残念。父親のもとに戻ったところでも、「いなくなった間に逞しくなったみたいだ」みたいなセリフがあるといいと思った。
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