2018年9月26日水曜日

0902 人形劇団クラルテ「はてしない物語」

新神戸オリエンタル劇場の広い舞台を存分に使ってスケール感をもってファンタジーの世界を表現するした。様々な登場人物が客席から登場する演出も、客席が物語の中に入り込んだような効果。バスチアン役は幼少期から気弱な少年、ファンタージエンに行ってからの傍若無人りを演じ分け、アトレーユは終始凛々しく好演。フッフールが飛ぶと舞台の空気が塗り替えられるようだ。
ただ、ミヒャエル・エンデの名作ファンタジーの舞台化への期待が高すぎたせいか、少々物足りなかったかも。あの長編を2時間余に収めるだから、前半のアトレーユの冒険があっさりしてたのは仕方ないにしても、後半、記憶を失ったバスチアンが現実世界に帰るのに、アトレーユの関与が少なかったような。変わる家で父親の夢を見たことが帰るきっかけとして描かれたが、名前すら思い出せないバスチアンに代わって思い出を語ったり、ファンタージエンで始めた物語の終わりを引き受けたりといったくだりが省かれたのが残念。父親のもとに戻ったところでも、「いなくなった間に逞しくなったみたいだ」みたいなセリフがあるといいと思った。

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