2017年4月9日日曜日

4月8日 4月文楽公演 第1部

「寿柱立万歳」 三輪、津国、南都、小住、文字栄に清馗、龍爾、錦吾、清允、団吾。人形は紋臣と清五郎。 華やかで賑々しい。が、途中テンポがもたついたような。足踏みの間が悪かったのか。 「菅原伝授手習鑑」 茶筅酒の段は芳穂と宗助。白太夫の枯れた感じ、チャりにもう少し軽みがあるといい感じ。 喧嘩の段は咲寿と清丈。落ち着いて語ろうという努力は感じられ、義太夫らしくなってきた。喧嘩場で少しわあわあした印象が残るのが惜しい。(4月29日、ダブルキャストの小住。若手らしからぬどっしりとした体格で低音部が安定している。一方、高温はちと聞き苦しく、喧嘩場はガヤガヤした感じだった) 訴訟の段は靖と錦糸。低音が少し辛そうだが、安定感が増してきたか。 桜丸切腹の段は文字久と藤蔵。声がよく出ていて語り分けも明快だが、住太夫の印象がまだ強く残っているので「なんまいだ」に深みが足りなく感じた。三味線の熱演はいいのだが、うんうん唸りすぎで八重のクドキのあたりなどはちょっと煩く感じた。 嫁たちは揃いの着物でそれぞれ夫にちなんだ柄。八重だけが振り袖。 「口上」 咲の案内で清治、勘十郎が挨拶。咲の呂律が怪しくてハラハラする。 清治が「先代の呂太夫は映画俳優に誘われるほどで、文楽に似つかわしくないくらいの美男子だったが、当代は…ご覧ください。まことに文楽に似つかわしい」と言って爆笑を誘っていた。 寺入りの段は呂勢と清治。何とも贅沢な寺入り。戸波と千代の語り分けが明快で、涎くりのチャリも面白かった。「一日に~」の名台詞をサラリと言っていたのが好印象。あまり引っ張ると嫌みだから。 寺子屋の段は前が呂と清介、切が咲と燕三。呂は出だしはやや声が小さかったが中盤はよく通っていた。クライマックスでもうひと盛り上がり欲しかった。技術的には的確なんだろうなあと思うのだが。盆が回って咲の語りになると、差が歴然。咲としては本調子からは程遠いのだが、切場語りの力を見せつけた。

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