2016年9月20日火曜日

1020 九月新派特別公演

市川月乃助改め二代目喜多村緑郎襲名披露。 「振袖纏」 火消しに惹かれて家を出てしまう若旦那、芳次郎を松也。江戸っ子のパリッとした感じにはやや足りない気もするが、ボンボンらしさはこの役にあっているのかも。親分の娘で芳次郎に惚れる娘、お喜久の瀬戸摩純はなぜか年増感が。実年齢は若いのに何でだろう。クライマックスで、芳次郎の最後の晴れの舞台にと火事場に駆け付けるところが、髪振り乱してちょっと狂気すぎ。 藤右衛門の猿弥は貫禄があって立派。お徳の春猿もらしさがあって、新派というより歌舞伎の公演のよう。 「深川年増」は仕事で見られず。 夜の部は口上のあと、「婦系図」 喜多村緑郎の早瀬主税はこの役に出会って新派への移籍を決めただけあって、よく似合っている。が、人物像が理解しがたい。先生がなんで怒るのか、お蔦が死にかけるまでなんで許さないのかとか、そんな師匠に黙って従ってしまう早瀬とか、登場人物の行動が理解の範疇を超えていて、ずっと??。それぞれの登場人物の見せ場はそれなりなのだが、全体としてのお話はよく分からなかった。波乃久里子のお蔦は上手いのだが、喜多村と並ぶとどうしてもお母さんのようで…。

0 件のコメント: