2016年9月14日水曜日

0914 ミュージカル「エリザベート」

東宝版は新演出とかで、観ている間中「これじゃない」感がぬぐえなかった。 花總まりは初々しい少女期から晩年までをこれ以上ないくらい好演していたのに。花總は高音がやや不安定だったものの、歌唱もよく、何より演技が素晴らしい。ただ、育児を人任せにして旅歩いていたとか、スイスに隠し口座があったとかいうことでわがままぶりが協調され、困難な時代・状況を懸命に生きた女性への共感はなくなった。 トートの井上芳雄は歌は上手いが、ソフトすぎる歌唱に違和感。黄泉の帝王らしい、超越した感じもなく、生身の男っぽい。 フランツの田代万里生も皇帝らしい重々しさが薄い。総じて職務に忠実で冷たい感じで、宝塚版のほうが包容力があって魅力的だった。 ゾフィーの涼風真世は低音はいいが、高音域になるとかわいらしくなってしまうのが惜しい。 一番の違和感は、オーストリア王国の危機にユダヤ人迫害やナチスの台頭を重ねたこと。時代が違うでしょ。 マダムヴォルフの館で娼婦が貞操帯をしてるとか、ルドルフが自殺するまえに自ら銃を取りに行ってトートに死のキスするとか、ルキーにがエリザベスではない別の人を殺そうとしていたが来なかったので偉そうなやつなら誰でもと殺害に至ったとか、細々演出の違いがあるが、意図がよくわからなかった。

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