「将軍江戸を去る」
青果ものは好きではのだけれど、今回は悪くなかった。梅玉の慶喜に弥十郎の伊勢守、橋之助の山岡鉄太郎とベテランの役者ばかりだったので、セリフ回しも落ち着いていたのが良かったのか。前回は花形だったので、セリフの応酬がうるさく感じたのだけど。
「口上」
藤十郎に代わって、仁左衛門が襲名の披露役。歴代の鴈治郎の紹介と、先代、先々代との思い出など、簡潔だけれどいい口上だった。
橋之助、愛之助、竹三郎、弥十郎、梅玉、秀太郎、亀鶴、虎之助、壱太郎、扇雀、藤十郎、鴈治郎と続く。あまり奇をてらった面白いことをいう人はいなかったけど、秀太郎の柔らかい口調が良かった。
「封印切」
仁左衛門の八右衛門の厭らしさ、憎らしさといったら!大阪にこんなおっちゃんいるよなあという。口を開けば憎まれ口ばかりというのが、いっそ痛快なほどで、
忠兵衛の鴈治郎は、情けないけど見栄っ張りな様子が、吉田屋とちがってぴたりとはまる。
井筒やおえんの秀太郎が出ると、上方の風情がぐっと増す。
「棒しばり」
愛之助と壱太郎の息もあい、楽しく、陽気な一幕。曽根松兵衛の亀鶴も、演じている人達が楽しそうなのが何より。
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