2015年1月11日日曜日

2015年1月4日 初春文楽公演第2部

「日吉丸稚桜」

中を陸大夫と清志郎、奥を千歳大夫と富助。

小田春長から萬代姫を殺すよう命じられた木下藤吉。家臣の堀尾茂助義春は女房お政の父親、五郎助が叔父の敵と知って離縁しようとし、悲嘆に暮れるお政は自害。お政の首を萬代姫の身代わりに…と。なんだか悲劇まで主君のために利用してしまうというちゃっかり具合がなんだかなあ。

千歳大夫の語りはさすがの迫力。


「冥途の飛脚」

淡路町の段を英大夫と團七。
封印切の段を嶋大夫と錦糸。
道行き合かごを三輪大夫、咲甫大夫ほか。

歌舞伎の「封印切」は何度も見ているけれど、だいぶ話が違うので驚く。八右衛門、ええやつやんか。友達思いで、忠兵衛が道を誤らないように根回ししてあげたのに、忠兵衛の変なプライドが破滅に導いてしまう。一方、忠兵衛はほんとどうしようもない。金がないのに梅川に入れあげて店の金に手をつけてしまうのもアホだし、大事な為替を持っていながらふらふらと遊郭に行ってしまうのも浅慮すぎる。極め付けは、薄っぺらいプライドのために自暴自棄になって、為替に手を付けてしまう。はあ…。
同情の余地なんてない、どうしようもない男なのだけど、ことの大小はちがっても、こういうことってあるよなあとも思える。嶋大夫の語りがまたすごくて、説得力があるんだよなあ。

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