「花競四季寿」
太夫5人に三味線5人で、初春らしくにぎにぎしく。呂勢大夫の出演がこれだけとは…と思っていたけど、想像よりは聞きごたえあった。特に「関寺小町」。冒頭、三味線の伴奏もほとんどなく、ピンスポットを浴びて一人で語るところがあったのだが、謡のような、不思議な妖しさのある声音に聴き惚れた。
人形は文雀で、老女の悲哀が切ない。
ほかは、「海女」でタコが出てきたのがユーモラスで面白かった。
「彦山権現誓助剣」
杉坂墓所の段は松香大夫の六助など6人の太夫と三味線は團吾。ちょっと急いているような演奏に感じた。
毛谷村の段は中が咲甫大夫と清介、切が咲大夫と燕三。
咲大夫は流石。悲劇でなくても、やはり聞かせる。
人形は和生のお園がよかった。六助の玉女は、立ち回りなど大きな動きが窮屈そうに見えて私の好みには合わないみたい。母お幸の紋壽が休演で勘弥が代役。
「義経千本桜」
道行初音旅
歌舞伎版とは違ってすごく面白かった。舞踊ものの文楽版ってこれまであまり面白いと思ったことがなかったのだけれど。床が華やかだったのが良かったのか。静御前の津駒大夫と狐忠信の文字久大夫ほか太夫5人と三味線は寛治、藤蔵ほか5人という豪華さ。寛治の力みの全く感じられない、繊細さと、藤蔵の力強さのコントラストが面白い。
人形は静御前の勘十郎と忠信の幸助だったのだが、幸助の忠信がよかった。冒頭、狐で登場しての早変わりあり、狐の面影を感じさせる動きありで目に楽しい。
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