2025年5月10日土曜日

5月10日 文楽公演 第1部

「蘆屋道満大内鑑」

賀茂館からの半通しなので、葛の葉子別れに至る物語がよく分かる。

賀茂館の段の口は南都・団吾。 がちゃがちゃした印象。 奥は万博出演の藤・燕三に代わり、靖・燕二郎。
硬さは致し方なく、1日限りの代役としては大健闘では。途中、燕二郎が演奏をブツッと切ったので糸ご切れたのかと思ったら、繰っているだけだった。短い時間なので焦ったのか。靖は喉を絞ったような発声が苦しい。
保名物狂いの口は碩・清公。 のびやかな声が聞きやすい。 奥はは織、織栄に藤蔵、清冘。
織はいつも通り。太夫が2人いるのに語り分けするでなく、保名も葛の葉姫も織が語り、時折織栄。いっそ1人で語っては?と思う。 葛の葉子別れの中は三輪・団七。 切は千歳・富介。さすが切語りの安定感。 信太森二人奴は希、津国、咲寿、聖、薫に清友、清丈、友之助、錦吾、清方。
3枚目の友之助から弾きだしたのでびっくり。野干平を希、与勘平を津国だが、そっくりという設定なのに全然違う、、、。

保名の清十郎はほじめ姿勢が悪くてどうしたものかと思ったが、子別れのあたりからはよかった。玉延の童子がいたいけで可愛らしく、目を引かれた。葛の葉は勘彌。甲斐甲斐しい女房、母親の風情がいい。役者が二役を演じる歌舞伎と違って、文楽は狐と本物の葛の葉が別なのに、機織りを覗くときに障子を閉めたままなのはいかに。動物らしさはちゃっと薄いか。狐の人形で下手向きになる時に左の前足が引っかかってしまうのが気になった。

0 件のコメント: