2025年5月16日金曜日

5月16日 薫風歌舞伎 第二部

「千夜一夜譚 荒神之巻」 虎之介演じるアラジンがちっとも魅力的ではないので、終始モヤモヤ。遊郭で放蕩していながら、母親に楽をさせたいとか矛盾しているし、そのために王になるとか意味不明。表情がニヤニヤしているのが不遜な感じで、可愛げがないのだ。ランプを手に入れられる「目が澄んでまっすぐな人」に当てはまると思えない。茉莉花姫が惚れる理由も分からん。謀反疑いをかけられたアラジンを諌めるために母親(扇雀)が自害するのも意味不明だし、それで悔い改めるアラジンも理解不能ーーと書いていてキリがないな。

観てよかったのは澤瀉屋一門の芸達者ぶり。猿弥のランプの精は緩い感じでほっこり。「ぱっぱらぴーのぱ」みたいな呪文も脱力する。笑也の王妃の気高い美しさ。笑三郎の指輪の精のキツい感じもいいスパイスだった。老けたランプの精で鴈治郎が「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン」と笑いを誘う。ラストの紗武利矢王は威厳があってよき。
オープニングとエンディングの音楽が熊川哲也版クレオパトラと思って調べたら元のタイトルが「アラジン」だと知る。

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