スクリーンに映し出された真っ赤な映像の振り落としから、ロミオとジュリエットが寝台に横たわる印象的なシーンで幕開き。ヴェローナ・インスティテュートという若者の矯正施設が舞台で、白いTシャツとパンツの制服を着せられ管理されている。抑制された行動を肘を曲げた揃いの動きで描出し、プロコフィエフの音楽が効果的に使われている。
仲間を庇い、看守ティボルトの虐待を受けるジュリエット。一方のロミオは、政治家の父母に疎まれ、施設に入れられる。
バルコニーの場面で恋に落ちた2人がもつれ合いながらキスをするのは圧巻というか、アクロバティックというか。時間的にもだいぶ長いし、転がったり、体勢を入れ替えたりしても離さないのはよっぽどなのねぇと思うなど。別れてから、男女別々の部屋でそれぞれ仲間たちと恋バナで盛り上がってキャッキャしているシーンが微笑ましい。
酔ったティボルトがマキューシオを殺すのは原作通りだけど、ティボルトが殺されるところはロミオとジュリエットの2人ががりでベルトでくをを締めているように見えた。なのに、捕まって拘束服を着せられるのはなぜかロミオだけ。ロミオはいったん施設を追い出されるも、親の金の力で再び戻り、ジュリエットとの再会を喜んだのも束の間。ティボルトの幻影が現れたあたりから、「衝撃のラスト」は分かってしまった。怯えるジュリエットが誤ってロミオを刺してしまい、絶望して自ら胸を刺す。マキューシオの遺体?を間に左右に横たわり、互いに手を伸ばす構図は美しいけど、重なって倒れる方が自然では。
パリス・フィッツパトリックのロミオとモニーク・ジョナスのジュリエット。モニークは表現が硬い感じがして、共感しにくかった。
全てのキャストに名前がついていて、それぞれの物語が描かれるので、1度みただければ理解しきれない感じ。絶賛とまでは行かないけど、、もう一度見たくはある。
チケットの売れ行きが悪いと聞いていたけれど、1階席は8〜9割ほどか。後方サイドに空席が目立った。
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