2023年12月9日土曜日

12月9日 十二月大歌舞伎 第三部

「猩々」

松緑と勘九郎の猩々。2人とも踊り巧者だが、並ぶと勘九郎のほうが滑らかに感じた。 松緑はきっちりと楷書な感じ。酒売りの種之助は陽気でいい。

「天守物語」

七之助の富姫は姫路の平成中村座以来の再演。玉三郎仕込みの台詞回し、所作で泉鏡花の耽美な世界観を描出。玉三郎の亀姫はご馳走だが、ちゃんと妹分に見えるのがすごい。2人が姉妹のように戯れあう姿はうっとりする美しさ、怪しさ。
吉弥の薄、舌長姥の勘九郎が場を引き締める。
残念なのは虎之介の図書之助で、セリフをもっと歌ったらよかったのか。孤高の姫が一目惚れする魅力が今ひとつ感じられない。 

0 件のコメント: