愛之助のルパンは登場時の「ルパ〜ンさ〜んせ〜い」とアニメさながらの台詞回しで客を掴み、ふーじこちゃーんやら、とっつぁんやらお馴染みのセリフを散りばめて、歌舞伎版のルパンを上手いこと造形。驚きは次元の笑三郎で、拵えといい、低い声といい男くさい次元そのもの。普段の女方とのギャップ、芸域の広さがすごい。峰不二子の笑也は美しいのは想像通りだが、シャープな化粧が役にはまり、花魁道中も魅せる。五右衛門の松也は初め楼門の拵えだったので誰か分からなかったが、着流しになってからはアニメそのもの。ポスター時より髪が短くなり、少しウエーブがかったビジュアルもよき。「つまらんものを切ってしまった」の決め台詞も。
三人吉三さながらの喧嘩の場面や籠釣瓶の見初め、だんまりの幕切れや本水の立ち回りなど、歌舞伎らしい見せ場がふんだんに盛り込まれ、最後は白浪五人男ばりの名乗りで幕というてんこ盛り。本水に必然性がないとか、ツッコミどころはあるものの、総じて面白かった。音楽も、尺八や横笛、琴など邦楽器で奏でるお馴染みのテーマ曲で盛り上がる。
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