2022年5月7日土曜日

5月7日 横浜能楽堂特別公演「三老女 第2回」

「萩大名」
大蔵東次郎のシテ。
全体的に格式ばったセリフづかいなのだが、そこここにおかしみが漂う。庭の奥を見遣る仕草になんとも言えない味がある。
最後、太郎冠者は呆れて何処かへ行ってしまうという風でなく、一通り教えてスッと立ち去る感じ。

「檜垣」
大槻文蔵のシテ、福王茂十郎のワキ。
前シテは橋がかかりから舞台へ上がるまでだけで十数分かかったのはないかというくらい、ゆっくりと静かに登場。コンディションのせいか、前場は総じて謡の言葉が聞き取りづらく、物語の世界に入り込めなかったが、後場はシテの存在感に圧倒された。終盤、鏡を見るように扇をかざすところで、老女でなく、年齢不詳の美しい女に見えた不思議。 
ただ、この女、昔美しかっただけで、無限に水を汲まなければならなくなるような悪いことはしていないと思うのだが。女だというだけで宿業を背負ってるということ?
地頭の梅若実は先月より体調が悪そうに見えた。心配。 

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