2022年5月29日日曜日

5月28日 ミュージカル「メリー・ポピンズ」

映画版で聞いた耳に馴染んだ曲が多く、メリーのカバンから様々なものが出てくるカラクリや、舞台の枠を伝い歩くようなワイヤーアクション、宙乗りなどのアクロバットも楽しい。特に、「スパカリ」はキャッチーな曲と楽しい振り付けでウキウキする。
が、メリー役の笹本玲奈の歌が…。地声と裏声の落差が激しく、音量もコントロールされてない感じで聞きづらいこと。パート役の大貫勇輔は踊りはもちろん、期待してなかったにもかかわらず、ミュージカルらしい歌唱でよかったのに。子役の2人(弘山真菜、田中誠人)が歌、演技とも達者だった。

2022年5月22日日曜日

5月22日 貞松浜田バレエ団「バレエ・リュスの世界」

「レ・シルフィード」

白い衣装に身を包んだ妖精たちの幻想的な踊りだが、少し現実感が回見えてしまったように感じた。

「牧神の午後」

以前観たニジンスキー版と異なり、ロビンス版は現代のバレエの稽古場が舞台。男女の恋心というテーマがわかりやすい一方、踊りというより芝居を見ているような感覚だった。

「ボロヴェッツ人の踊り」

荒々しい男性群舞など、勢いを感じさせる一幕。


貞松浜田バレエ団にとって、バレエ・リュスの作品は初挑戦だそうで、慣れない様子もあったけれど意欲作。ロビーには薄井憲二コレクションから関連資料の展示もあり、世界観を感じられた。 

2022年5月15日日曜日

5月15日 南座歌舞伎鑑賞教室

 上村吉弥が長年続けてきた公演を、弟子の吉太郎らが引き継ぐという胸熱。

歌舞伎のいろはは茂山逸平を案内役に、拵えをした狂言の女役(鈴木実)と歌舞伎の女方(片岡千太郎)の比較や、見得やツケ打ちの実演など。鈴木のわわしい女ぶりがおかしい。実演で参加した祐次郎や當史弥らが活躍す

ミニ公演は「吉野山」で、吉太郎の忠信に千壽の静御前。

吉太郎はキリッとした所作が気持ちよく、千壽の踊りには秀太郎の面影を感じた。

2022年5月8日日曜日

5月8日 文楽公演第三部

「桂川連理柵」

石部宿屋の段を三輪、咲寿に勝平、清允。

咲寿は丁稚長吉みたいな役だといいのかもしれないが、ガチャガチャした感じが抜けないなあ。

六角堂を希・団子。

帯屋の前を呂勢・清治、切を呂・清介。

呂勢の儀兵衛の馬鹿笑いが面白い。意地悪な役はピカイチだ。

道行朧の桂川は睦、芳穂、津国、碩、薫に団七、友之助、錦吾、清方。

5月8日 文楽公演 第二部

「競伊勢物語」

玉水渕の段の口を亘・清丈、奥を織・清友。
亘が意外に良い。

春日村の段の中を小住・清馗、次を藤・藤蔵、切を千歳・富助。
小住は声がよく出ていて、久しぶりに会心の語りを聞いた。ここのところらしくない感じがしていたので、一安心。
切は千歳・富助。70分の長丁場を堂々と語り切った。4月は気負いもあったのかな。 

5月8日 文楽公演 第一部

「義経千本桜」

4月の大阪に引き続き、伏見稲荷を靖・清志郎。 
靖は4月よりは良くなっていたけれど、声のコントロールが不安定に感じた。狙った音程や音量でないような。

道行は少し面子が変わって。より落ち着いた?三味線陣の安定感。

川連法眼館は呂勢・錦糸。ますます磨きがかかったようで、初めの一音から聴き入る。安定した語り、艶のある三味線に浄瑠璃っていいなあと。
切の咲太夫が体調不良で休演し、織が代役。三味線は燕三に燕二郎のツレ。織は力みが抜けて聴きやすくなった。4月公演で代役にたったのも聞いたが、その時は力が入りすぎて聴くのが少し疲れた。

2022年5月7日土曜日

5月7日 横浜能楽堂特別公演「三老女 第2回」

「萩大名」
大蔵東次郎のシテ。
全体的に格式ばったセリフづかいなのだが、そこここにおかしみが漂う。庭の奥を見遣る仕草になんとも言えない味がある。
最後、太郎冠者は呆れて何処かへ行ってしまうという風でなく、一通り教えてスッと立ち去る感じ。

「檜垣」
大槻文蔵のシテ、福王茂十郎のワキ。
前シテは橋がかかりから舞台へ上がるまでだけで十数分かかったのはないかというくらい、ゆっくりと静かに登場。コンディションのせいか、前場は総じて謡の言葉が聞き取りづらく、物語の世界に入り込めなかったが、後場はシテの存在感に圧倒された。終盤、鏡を見るように扇をかざすところで、老女でなく、年齢不詳の美しい女に見えた不思議。 
ただ、この女、昔美しかっただけで、無限に水を汲まなければならなくなるような悪いことはしていないと思うのだが。女だというだけで宿業を背負ってるということ?
地頭の梅若実は先月より体調が悪そうに見えた。心配。 

2022年5月5日木曜日

5月5日 新国立劇場バレエ団「シンデレラ」

池田理沙子&奥村康祐ペアの初日にして千秋楽。
池田のシンデレラは可憐で健気で、役にあっている。
2幕、待望の奥村王子の登場。2日前にアグリーシスターだったとは思えない、颯爽とした王子ぶり。アイコンタクトが素晴らしく、表情豊かに恋する様を描く。ピュアでありながら、王子の品を保っているのが素晴らしい。珍しくリフトがちょっと不安定かなと思っていたら、3幕が開く前に劇場から、怪我のため井澤駿が代役とのアナウンスがあり心配。早く回復されるといいのだけれど。
急な代役にも関わらず、井澤は安定感のある踊りでさすが。
義理の姉は。決して悪くないのだけれど、奥村の時と比べると物足りない。何が違うのかと考えたけれど、女役の成り切り度なのか、シナを作る様というか、押し出しが違うのかなと。女であることの自信があるとより面白いし、ドラァグクイーン感が出るのかもしれない。他の人は本当にアグリー(不細工)でそこに引け目があるように感じたけれど、奥村は自信満々でスカッとしてるのがいいのかも。 

2022年5月4日水曜日

5月4日 新国立劇場バレエ団「シンデレラ」

米沢唯&井澤駿ペア。テクニックの確かさは折り紙付きだが、思ったより印象が薄い。米沢シンデレラは、前半は可憐ではあるけれど地味で目立たないし(そういう役だけど)、井澤王子は恋に浮かれる感じがなんだかその辺の男子のよう。とはいえ、美しいドレスに包まれたときの米沢の輝きはさすが。

義理の姉たちは、ローリー寺西みたい。悪くはないのだけど、奥村康祐のハジけっぷりには及ばないかな。 

5月3日 新国立劇場バレエ団「シンデレラ」

小野絢子のシンデレラ、福岡雄大の王子はいずれもハマり役で素晴らしいのだが、今回は奥村康祐の義理の姉が観たくて、急遽チケットを追加。期待を上回る好演て、終始笑いっぱなし。化粧映えする顔立ちなので、ドラァグクイーンのように美しく、はじけた演技で目が離せない。出番も多いし、キャラクターのはっきりしない(というか、典型で深みがない)王子役よりも美味しいのでは⁉︎と思うほどの存在感だった。「もう一度やりたい」と本人が言っていたこともあり、気持ちも乗っていたのではないだろうか。幅の広い演者さんだなと改めて感服した。アグリーシスターというくらいだから、不細工なのはいいとして、禿げ散らかしたような頭はどうなの?と思ったが。
小野のシンデレラは、ボロをまとった冒頭から気品が漂う。踊りでは、ポワントワークの美しさが印象に残った。
福岡王子はこれぞ王子という堂々としたヒーローぶり。
秋の精の池田理沙子。激しさを感じさせるシャープな踊りで、嵐ということだが、オレンジ色の衣装もあって炎のように見えた。