2017年7月18日火曜日

0717 あごうさとし「リチャード三世ーある王の肉体ー」

無言劇と有人劇を続けて観劇。 無人劇はリチャードのセリフを標準語、関西弁、沖縄弁、東北弁で語り、「純粋言語」を探る試みだとか。ランダムに様々なイントネーションに変っていく独白は人格が統一されていないよう。ただ、最終的に東北弁の印象が強かったのは言葉のもつインパクトなのか。ブラックボックスの真っ暗な舞台に入り、不安定な砂場に足を取られつつ、ブラックライトや赤いライトに照らされる。壁が鏡面になっているので、奥行が広く見えたり、自分やほかの観客の姿が見えたりして不思議な感覚に包まれる。室内に照らされた白い糸がぼんやりと浮かぶ。ドラマトゥルクの先生は空間が分断されていると言ったがが、私には道しるべのように感じられた。 無人劇は男性3人に女性2人の役者(ダンサー?)。リチャードを男性3人が演じることで、肉体のいびつさを追求したのだとか。最初、不思議な恰好を役者たちが真似していくのだが、後で聞かされたところでは観客の仕草を取り入れているそう。そこのところはよくわからなかったのだが。クライマックスで3人の男と1人の女が揉み合う迫力に圧倒された。3人のリチャードがときに民衆になったり、ほかの人物になったりするので、誰がしゃべっているのかわかりづらいところも。あまりセリフの滑舌が良くない人がいたので、長台詞が辛いところがあった。

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