「青雲の座 出石の桂小五郎」
上演前、大向こうさんが来て、開演7分くらいで1階の桟敷席から壱太郎が出てくるから一緒に声かけをとの案内がある。客席の通路を両花道のように使うなど、客席を巻き込んだ演出が随所に。
冒頭、昭和の映画音楽のような仰々しい音とともにタイトルバック、古い白黒チャンバラ映画がかかる。一抹の不安。新作でも、基本は三味線音楽がいい。
桂小五郎の愛之助。磯松とは離れてしまったので仕方ないにしても、出石で女房をもち、城崎温泉の宿の娘にまで手を出すダメ男。逃げの小五郎とかで、都合が悪くなるとすぐに逃げるし。
磯松の壱太郎は期待どおりの美しさ。
吉弥が至近距離でも美しい。老け役もちゃんとこなすのに、年上女房とはいえ、若い役も十分綺麗なのがすごい。史実では14歳でさすがにそれは…と思ったそうだが、十分やれそう。
鴈治郎が町奉行の堀田半左衛門役で華を添える。主役はいまいちだが、こういう役はしっかりと脇を固める。
磯松と長州に帰るにあたって、新しい名前を…と言ったところで、客席から「ノリカ」と声が。それだけでも興ざめなこと甚だしいのに、無視して芝居が進むとさらに「ノリカでいいじゃん」。全然面白くないし、客席は白けた。
「口上」
愛之助を真ん中に、上手に向かって壱太郎、鴈治郎、下手側に寿治郎、吉也。
愛之助は永楽館の初回を振り返ったり、8回目を迎えたことへの感慨など、無難に。壱太郎は恒例の豊岡親善大使ぶりでご当地キャラに加えて新製品のコウノトリ米をPR。鴈治郎は永楽館は2回目以来6年ぶり。出石では壱太郎のほうが有名で「壱太郎のお父さん」と呼ばれるが「鴈治郎です」吉弥は小五郎の女房は史実では14歳なのでどうしようかと思ったが、台本を見たら年増の役。それでも愛之助の釣り合うよう、少しでも綺麗に。寿治郎は吉也の兄役だが、本当は自分が下(⁈)
「蜘蛛絲 梓弦」
小姓、座頭、傾城、蜘蛛と早替り。狭い舞台なので後見もやりにくそうだが、2階席から手際のよさがよく見えた。蜘蛛の糸の仕掛けを手渡したり、広げた糸を片付けたりと鮮やか。
愛之助はサッと目つきが変わって蜘蛛の怪しさを出すのがいい。
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