お初の一輔に徳兵衛の玉佳、床は睦大夫、靖大夫に清キ、清公。
中央公会堂の3階は音響がいいのだが、どこか洋風な響き。ホールに渡した橋のような舞台で、狭いのかやりにくそう。殺しのシーンで回舞台
2015年11月30日月曜日
タクフェス「くちづけ」
知的障がい者の問題に目を向けさせようという試みは積極臭くならず成功していると思う。
マコが可愛く純真な様子が上手くて、その後の展開が泣かせる。うーやんのクセはなんか馴染んでない感じがしたが。
マコが可愛く純真な様子が上手くて、その後の展開が泣かせる。うーやんのクセはなんか馴染んでない感じがしたが。
マリインスキーバレエ「白鳥の湖」
オーソドックスな白鳥。
オデットは手足がすらりと美しく、身体の柔軟性がすごい。オディールのハキハキさ踊りのほうが合っている気がした。
4幕で黒鳥が何羽か。ロットバルトの手下とか、不安の象徴とか、諸説あるらしい。
オデットは手足がすらりと美しく、身体の柔軟性がすごい。オディールのハキハキさ踊りのほうが合っている気がした。
4幕で黒鳥が何羽か。ロットバルトの手下とか、不安の象徴とか、諸説あるらしい。
2015年11月22日日曜日
EVKK「黒い湖のほとりで」
ドイツの劇作家デーア・ローアの翻訳劇。
湖のほとりで再会する2組の夫婦。恋人同士だった子供たちが4年前に心中し、その背景を知ろうとしているようなのだが、最後まで分からず。詩のようなセリフは繰り返しが多く、音の雰囲気に浸る感じか。
造船所跡のガランとした会場で、夕刻からの暮れていく自然光を利用したので、後半はほとんど真っ暗。役者たちが、小さい電球を透ける素材の袋に入れたものを衣装につけていて、それがだんだん浮かび上がる。芝居が進むにつれ、袋に入れを破って電球を撒き散らすのは、心情の吐露を表しているのか。ラスト、フロア中に撒き散らされた電球が星屑のようだった。
湖のほとりで再会する2組の夫婦。恋人同士だった子供たちが4年前に心中し、その背景を知ろうとしているようなのだが、最後まで分からず。詩のようなセリフは繰り返しが多く、音の雰囲気に浸る感じか。
造船所跡のガランとした会場で、夕刻からの暮れていく自然光を利用したので、後半はほとんど真っ暗。役者たちが、小さい電球を透ける素材の袋に入れたものを衣装につけていて、それがだんだん浮かび上がる。芝居が進むにつれ、袋に入れを破って電球を撒き散らすのは、心情の吐露を表しているのか。ラスト、フロア中に撒き散らされた電球が星屑のようだった。
2015年11月21日土曜日
刈馬演劇設計社「クラッシュ・ワルツ」
緻密な台本とよく練った演出でとても完成度が高いと思った。BGMの「花のワルツ」のたどたどしいピアノも絶妙。いつまでも下手なんだけど、少しずつ上達しているという芝居全体のテーマにぴたりと合っている。
最初からセリフの応酬なのだが、喋っているより黙っている間で引き込む感じ。役者が上手いのだろう。加害者と被害者が逆転したり、傍観者が無作為の罪を感じたり、意図しない風評被害が広がり間接被害の責任は誰にあるのかなど、原発事故とのリンクも嫌味でない。ヒリヒリするような攻防の最後、救いのあるラストでホッとした。少しずつ上達しているし、そうするしかない。「生きてて良かった」のセリフにほろり。
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最初からセリフの応酬なのだが、喋っているより黙っている間で引き込む感じ。役者が上手いのだろう。加害者と被害者が逆転したり、傍観者が無作為の罪を感じたり、意図しない風評被害が広がり間接被害の責任は誰にあるのかなど、原発事故とのリンクも嫌味でない。ヒリヒリするような攻防の最後、救いのあるラストでホッとした。少しずつ上達しているし、そうするしかない。「生きてて良かった」のセリフにほろり。
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劇団そとばこまち「生きるんデス」
いろんな意味で学園祭のよう。内輪ネタっぽい笑いとか、バレエとかロックとか好きなもの、得意なもの盛り込んでみました感じとか。演劇部ですって感じの発声やセリフまわしの演技とか。芝居も脚本も粗い印象。DVが自殺にまで追い詰めるような深刻なものに見えないし、幽霊たちの心残りもそれほどの執着だろうか。歴史のある劇団だけあって、セットが立派。お客もついているのだろう。
2015年11月20日金曜日
OSK Revue in Kyoto
和物の「浪花今昔門出賑」と洋物「Stormy Weather」のレビュー2本立てで、新トップ高世麻央のお披露目。
高世はちょっと天海祐希に似てる?歌がうまいのかな。ちょっと痩せすぎな感じで、見栄えのする2番手の桐生麻耶のほうに目が行ってしまう。男前。和物の途中で洋装に早変わりし、マイケル・ジャクソン風の踊りが挟まったのが??
悠浦あやとが麗しい。笑顔が素敵。洋物のほうで、女装で極楽鳥を演じたのがきれいだった。
楊琳は彫りが深く、きりっとした顔だち。ダンスのキレが良くて、群舞でも際立って見える。
全体的に宝塚の縮小版という感じで、小ぶりな大階段とか、トップの羽の大きさとか、スケール負けする。
いい点は劇場が狭いぶん役者さんとの距離が近いのと、娘役が大人の魅力。
2015年11月13日金曜日
劇団太陽族「劇論〜どこから来てどこへ行くのか〜」
天照大神の神話から、ギリシャ悲劇、ハムレット、歌舞伎、チェーホフ、アングラ、ミュージカル…と演劇の歴史を追いながら、テンポよく楽しく見られた。まだ来ないオーなのか、Rなのか、待っているのはだれなのか。シールズのデモの様子を取り入れるなど、時代性も。最後、葬式から、再び冒頭に戻るあたりがやや増長か。
宝塚歌劇 月組公演「舞音」
舞台中央の背後に白い大判の薄布が架かっている。これが最後、川の流れのようになる。シンプルなセットですっきり見せる。
冒頭、白い薄衣の女性の群舞がきれい。マノンの真珠をふんだんにあしらったドレスなど、衣装がいい。
ストーリーも時間にちょうどいい内容で、過不足なく。愛を求めながら男を翻弄するマノンの振る舞いがやや分かりにくいが、最後に、不幸な生い立ちから人を信じられなくなっていたと分かり納得。
トップの龍真咲は一人で視線を集めてしまうという感じではないのだが、歌は聞かせる。
レビューは踊りがよかった。途中、アフリカン風のところは、踊りは見応えあったが、宝塚には似合わないような。
2015年11月10日火曜日
11月8日 永楽館歌舞伎 昼の部
「青雲の座 出石の桂小五郎」
上演前、大向こうさんが来て、開演7分くらいで1階の桟敷席から壱太郎が出てくるから一緒に声かけをとの案内がある。客席の通路を両花道のように使うなど、客席を巻き込んだ演出が随所に。
冒頭、昭和の映画音楽のような仰々しい音とともにタイトルバック、古い白黒チャンバラ映画がかかる。一抹の不安。新作でも、基本は三味線音楽がいい。
桂小五郎の愛之助。磯松とは離れてしまったので仕方ないにしても、出石で女房をもち、城崎温泉の宿の娘にまで手を出すダメ男。逃げの小五郎とかで、都合が悪くなるとすぐに逃げるし。
磯松の壱太郎は期待どおりの美しさ。
吉弥が至近距離でも美しい。老け役もちゃんとこなすのに、年上女房とはいえ、若い役も十分綺麗なのがすごい。史実では14歳でさすがにそれは…と思ったそうだが、十分やれそう。
鴈治郎が町奉行の堀田半左衛門役で華を添える。主役はいまいちだが、こういう役はしっかりと脇を固める。
磯松と長州に帰るにあたって、新しい名前を…と言ったところで、客席から「ノリカ」と声が。それだけでも興ざめなこと甚だしいのに、無視して芝居が進むとさらに「ノリカでいいじゃん」。全然面白くないし、客席は白けた。
「口上」
愛之助を真ん中に、上手に向かって壱太郎、鴈治郎、下手側に寿治郎、吉也。
愛之助は永楽館の初回を振り返ったり、8回目を迎えたことへの感慨など、無難に。壱太郎は恒例の豊岡親善大使ぶりでご当地キャラに加えて新製品のコウノトリ米をPR。鴈治郎は永楽館は2回目以来6年ぶり。出石では壱太郎のほうが有名で「壱太郎のお父さん」と呼ばれるが「鴈治郎です」吉弥は小五郎の女房は史実では14歳なのでどうしようかと思ったが、台本を見たら年増の役。それでも愛之助の釣り合うよう、少しでも綺麗に。寿治郎は吉也の兄役だが、本当は自分が下(⁈)
「蜘蛛絲 梓弦」
小姓、座頭、傾城、蜘蛛と早替り。狭い舞台なので後見もやりにくそうだが、2階席から手際のよさがよく見えた。蜘蛛の糸の仕掛けを手渡したり、広げた糸を片付けたりと鮮やか。
愛之助はサッと目つきが変わって蜘蛛の怪しさを出すのがいい。
上演前、大向こうさんが来て、開演7分くらいで1階の桟敷席から壱太郎が出てくるから一緒に声かけをとの案内がある。客席の通路を両花道のように使うなど、客席を巻き込んだ演出が随所に。
冒頭、昭和の映画音楽のような仰々しい音とともにタイトルバック、古い白黒チャンバラ映画がかかる。一抹の不安。新作でも、基本は三味線音楽がいい。
桂小五郎の愛之助。磯松とは離れてしまったので仕方ないにしても、出石で女房をもち、城崎温泉の宿の娘にまで手を出すダメ男。逃げの小五郎とかで、都合が悪くなるとすぐに逃げるし。
磯松の壱太郎は期待どおりの美しさ。
吉弥が至近距離でも美しい。老け役もちゃんとこなすのに、年上女房とはいえ、若い役も十分綺麗なのがすごい。史実では14歳でさすがにそれは…と思ったそうだが、十分やれそう。
鴈治郎が町奉行の堀田半左衛門役で華を添える。主役はいまいちだが、こういう役はしっかりと脇を固める。
磯松と長州に帰るにあたって、新しい名前を…と言ったところで、客席から「ノリカ」と声が。それだけでも興ざめなこと甚だしいのに、無視して芝居が進むとさらに「ノリカでいいじゃん」。全然面白くないし、客席は白けた。
「口上」
愛之助を真ん中に、上手に向かって壱太郎、鴈治郎、下手側に寿治郎、吉也。
愛之助は永楽館の初回を振り返ったり、8回目を迎えたことへの感慨など、無難に。壱太郎は恒例の豊岡親善大使ぶりでご当地キャラに加えて新製品のコウノトリ米をPR。鴈治郎は永楽館は2回目以来6年ぶり。出石では壱太郎のほうが有名で「壱太郎のお父さん」と呼ばれるが「鴈治郎です」吉弥は小五郎の女房は史実では14歳なのでどうしようかと思ったが、台本を見たら年増の役。それでも愛之助の釣り合うよう、少しでも綺麗に。寿治郎は吉也の兄役だが、本当は自分が下(⁈)
「蜘蛛絲 梓弦」
小姓、座頭、傾城、蜘蛛と早替り。狭い舞台なので後見もやりにくそうだが、2階席から手際のよさがよく見えた。蜘蛛の糸の仕掛けを手渡したり、広げた糸を片付けたりと鮮やか。
愛之助はサッと目つきが変わって蜘蛛の怪しさを出すのがいい。
2015年11月7日土曜日
「ブロッケンの妖怪」
竹中直人と生瀬勝久の企画。気楽に笑えた。ホラーコメディということだが、ホラー色はあまり感ず。
4年ごとに遭遇するもう一つの世界の詰”自分”との2役の演じ分けが面白い。
ダンサーの大貫勇輔は身体能力の高さでありえないような動き。
初舞台という佐々木希。顔ちっちゃくて綺麗。演技は予想通りつたないが、そういう役どころでもあり。
高橋惠子は美しく、凛とした声が舞台を引き締める。
2015年11月3日火曜日
「No.9 不滅の旋律」
冒頭、真っ暗ななか地鳴りのような重低音が響き、不安な気持ちに。難聴になったベートーベンの感覚を疑似体験しているのか。
稲垣吾郎のベートーベンは気難しい性格をよく表していたが、発声がやや聞き取りにくい。初舞台という大島優子は意外に舞台映えした。ベートーベンの父の田山涼成が上手い。
途中、「たった1枚の譜面で人々を感動させることができる」みたいなセリフがあるのだが、違和感を覚えた。普通のひとは曲を聴いてはじめて感動するのであって、譜面では感動できないよ。
3台のピアノが奏でるメロディはときにユニゾンで、ときに重厚なハーモニーで、ときにばらばらの旋律で、多彩な音色で舞台を彩る。
最後、生の合唱が圧巻。強引に感動の渦に巻き込まれた。
稲垣吾郎のベートーベンは気難しい性格をよく表していたが、発声がやや聞き取りにくい。初舞台という大島優子は意外に舞台映えした。ベートーベンの父の田山涼成が上手い。
途中、「たった1枚の譜面で人々を感動させることができる」みたいなセリフがあるのだが、違和感を覚えた。普通のひとは曲を聴いてはじめて感動するのであって、譜面では感動できないよ。
3台のピアノが奏でるメロディはときにユニゾンで、ときに重厚なハーモニーで、ときにばらばらの旋律で、多彩な音色で舞台を彩る。
最後、生の合唱が圧巻。強引に感動の渦に巻き込まれた。
トリコA「つきのないよる」
よく分からなかった。途中、2役なのか、同一人物なのか分からなくて混乱したのが一因。主人公の彼女が、被害者の妹?そんな偶然あり?どんな展開が?と戸惑って、話の展開についていけなかったのだ。見終わってモヤモヤした感じが残った。観客の気持ちをざわつかせるのが目的なら成功だ。
殺人犯の女は不気味でイラっとする、というのは上手いのだろう。
最初戸惑っていた主人公は次第に殺人犯の女に取り込まれてしまったの?そこがよく分からなかった。彼女より殺人犯を選ぶ心の動きが唐突に感じた。子供がいるフリしてるうちに情が移ったとでもいうのか。
殺人犯と母親、父親の関係もよく分かんない。妹たちよりいい子だったから?なんで?
舞台には3脚のテーブルと丸椅子がいくつか。それを倒したり重ねたりして、場面転換するのは面白い。コントラバスとアコーディオンの生演奏もよかった。
殺人犯の女は不気味でイラっとする、というのは上手いのだろう。
最初戸惑っていた主人公は次第に殺人犯の女に取り込まれてしまったの?そこがよく分からなかった。彼女より殺人犯を選ぶ心の動きが唐突に感じた。子供がいるフリしてるうちに情が移ったとでもいうのか。
殺人犯と母親、父親の関係もよく分かんない。妹たちよりいい子だったから?なんで?
舞台には3脚のテーブルと丸椅子がいくつか。それを倒したり重ねたりして、場面転換するのは面白い。コントラバスとアコーディオンの生演奏もよかった。
11月1日 錦秋文楽公演 第2部
「玉藻前曦袂」
清水寺の段
薄雲皇子に津国大夫、犬淵源蔵に南都大夫。
采女之助の文字栄大夫は声が二枚目に似合わないのでは。桂姫の希大夫は美声がよく合う。三味線は寛太郎1人で奮闘。
道春館の段
中を芳穂大夫と清馗、奥を千歳大夫と富助。
悲劇なのだが、話の辻褄が合わなくていまいち入り込めず。桂姫の首を差し出せと言われて、娘2人は同じように可愛いから双六で負けた方にするとか訳がわからん。桂姫の亡骸を前に涙にくれているところに、帝からのお召しがあるのは唐突だし、それに応えていそいそと着替えてでてくる初花姫と萩の方もよく分からん。語る千歳大夫の熱演ぶりには圧倒された。
神泉苑の段
口を咲寿大夫と錦吾、奥を咲甫大夫と錦糸。
初花姫が九尾の狐に食われてしまう重要な場面?咲甫大夫はチャリ場よりこういうシリアスな場面のほうがいい気がする。
勘十郎の狐は怪しさたっぷり。早変わりも見事。玉藻前は一瞬で狐面から女の顔に変わる特別な首。
廊下の段
始大夫と清志郎。
雅な御殿で皇后や女御自ら玉藻前を殺害しようとする不自然さ。
訴訟の段
睦大夫と喜一郎。
平安調の御殿に傾城がいる不思議。
化粧殺生石
勘十郎の一人舞台。全く違うキャラクターを次々と演じ分ける。早変わりも、ススキの裏から出てきたり、岩を使ったり、岩に引っ込んだと見せかけて下手から出てきたりといろいろ工夫されていて面白い。
床は咲甫大夫はじめ5人の太夫と藤蔵をはじめとする5人の三味線で華やか。
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