2026年8月23日日曜日
8月23日 第36回 上方歌舞伎会
「菅原伝授手習鏡」加茂堤から佐太村賀の祝まで
2場を通じて、吉太朗の八重が素晴らしい。加茂堤での若妻の初々しさ、可愛らしさから、佐太村では迸る感情が客席に満ちるよう。花道の登場時から立ち姿が美しく、上方古典の風情をしっかりと体現した。夫桜丸役の翫政もよく、加茂堤では八重と仲の良い夫婦ぶりが微笑ましい。苅屋姫と斉世親王に当てられていちゃいちゃするところ、キスシーンまであってびっくり。
もう一人の功労者は白太夫の千次郎。40代半ばで白太夫を演じるのは無理があるので、身のこなしに若さが見え隠れしてしまう難はあるのは仕方ない。けれど、それを上回るほど、終盤の嘆きには若くして命を散らす息子への慈愛が感じられ、涙を誘われた。
松十郎の松王丸、愛治郎の梅王丸は親子ほど年齢が離れているのに、子どものように我を張り合って喧嘩するのが、役そのもの。千代の千寿、春の折乃助も好演。女房3人の衣装が青系やグレー系の地味な色味なのは上方風?
苅屋姫の千太郎は、斉世親王の愛三郎より頭一つ大きく、バランスが悪い。千太郎は女方志向らしいが、身体的なハンディを覆すには相当の努力と工夫が要ると思った。
「乗合船恵方万歳」
登場人物を9人に増やして、華やかな一幕。
松十郎の大工とりき彌の芸者の美男美女ぶりが眼福。
太夫の佑次郎、才蔵の松四郎は珍しく主役級の役を勤めたが、訳者不足が否めない。
千寿の女船頭は安定感。當史弥の白酒売、愛三郎の子守娘、鴈大の田舎侍。千太郎の通人は姫よりも似合っているかも。
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