セットや衣装は簡素だが、奥村康祐のアルブレヒトを間近で見られる幸せ。悪気なく、初心な村娘をたぶらかす大人の男という風情がたまらない。とはいえ、バチルドに正体を明かされそうになると、背後のジゼルを気遣ってシーっと口に手を当てるなど、気遣いも見せる。2幕は一転、深い後悔が滲み、懸命に許しを乞う姿が哀れを誘う。ジゼル役の冨岡玲美は初役だそうで、華奢で、瑞々しい感じが役に合っている。奥村アルブレヒトと並ぶと、経験の差というか、初々しい感じとのギャップで、アルブレヒトの狡さが顕になるというか、ウィリーになってからは、浮遊感がもっと欲しかったが、一心にアルブレヒトを思う感じが現れた。ミルタの望月美利は冷静だが、健康的な体つきなので人ならぬものの感じは薄い。 発表会なので、群舞は素人らしく、村娘がやたら多かったり、子どもが加わっていたり。ウィリーにバレエシューズの子が混じっていたのはびっくりしたが、破綻なく踊っていたのは立派。 客席は6割ほどの入りと、空席が目立ったのは勿体無い。
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