2026年4月12日日曜日

4月12日 四月大歌舞伎 夜の部

「十種香」 時蔵の八重垣姫が秀逸。後ろ姿での登場シーンから隙がなく、所作とセリフで一途な恋心が滲み出る。健気でいじらしくて、かつ深窓の姫君らしい箱入り娘感と品格があって、勝頼への一途な恋心がリアル。こんな女の子は現実にはいないのでどこか嘘っぽくなりがちだが、この八重垣姫は共感できる。応援したいというか。七之助の濡衣もとても良く、年上のお姉さん感があった。もっと落ち着いていてもいいかも。萬寿の勝頼も気品があって、よい貴公子ぶり。芝翫の上杉謙信も大きさが合ってよき。 「連獅子」 右近の親獅子と眞秀の子獅子。 トータル50分ほどで、毛張りもあっさり目。右近はドヤっと高速回転していたが、眞秀は腰が高く、首で回してる感じが少し心配。 後シテで花道を出てくるところ、子獅子、親獅子の順で出てきて共に後ろ向きに引っ込むのだが、ここって子獅子だけではなかったっけ?その後は、親獅子に続いて子獅子が舞台まで進む。右近はベテランが肩の力を抜いて踊っているような感じが逆に鼻につく。30代はまだ懸命であっていい。 客席に寺島しのぶがいて、宗論(福之助・歌之助)は笑って見ていたのに、終演後は浮かない表情。ロビーでお客さんと話しているのが漏れ聞こえたのだが、親の言うことを聞かないとか。 「浮かれ心中」 井上ひさしらしい、よく練られたコメディで、適材適所の役者も揃って、観客は笑いっぱなし。勘九郎の栄次郎と⑧菊五郎のおすずの仲睦まじい夫婦ぶりが微笑ましい。(ただ、菊五郎は意外に腰回りが太い) 吉原を訪ねた栄次郎が七之助の箒木に一目惚れして、微笑みに腰を抜かすなど籠釣瓶を思わせる場面も楽しい。 橋之助演じる箒木の恋人、清六に向かって「従兄弟と言ってるが本当か」とか、クスリとさせるところも。

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