仁左衛門の菅丞相をしっかり観たくて再見。体調不良で21日の公演を休んだので心配したが、おおむね元気そうで安心した。(所々、呼吸が苦しそうなところもあったが、演技と見えなくもなく)
1階席で観ると表情の細かな変化にも気づく。筆法伝授で勘当は別と言い放つときに滲む苦悩、道明寺では木像のときは顔つきからして違う。本物の菅丞相になると感情を抑えつつも血が通ったように見えるのだから不思議だ。苅屋姫との別れも、鏡越し、池に映る姿を見つつ、直には目を合わさないよう律していても、見てしまうと愛しさが溢れて。悲しみの深さがひしひしと伝わる。(花道での天神の見栄で「待ってました」の掛け声はどうかと思うが)左近の苅屋姫も大健闘で、菅丞相から目を離さず、着物の袂に縋り付く様がひたむきでいたいけ。
加茂堤は歌昇の桜丸、新吾の八重。身長差はあまり気にならなかったけど、やんちゃな桜丸。親王と苅屋姫が牛車にこもって「たまらん」と言うのがちょっとゲスっぽい。斉世親王の米吉はこの中では古典らしさが足りないかも。
筆法伝授は橘太郎の希世が絶妙なコミカルさ。吉弥の局水無瀬、雀右衛門の御台所と適材適所。
道明寺は歌六の土師兵衛が、賀の祝の好々爺ぶりと打って変わって、極低音の声で極悪人だとわかる。
竹本は葵太夫が伝授場と道明寺の切を掛け持ち。道明寺は4組のリレーだったが、最初の樹太夫が若手ながら浄瑠璃らしい語りで良かった。
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