「曽根崎心中」
生玉社前の段を三輪・団七。なんだか、耳に馴染まない感じで、三輪ってこんなだっけ?と戸惑って終わった。なんというか、あまり音楽性を感じられなかった。
天満屋の段は呂勢・清友。珍しい組み合わせだと思うのだが、正しい曽根崎心中を聞いた気分。こういうのが聴きたかったというような。お初はのっけから悲しみに沈んで思い詰めているし、徳兵衛は八方塞がりでもう行き場がない。どうしようもない状況がこれでもかと描かれるのは正直うんざりなのだが、美声に酔わされてしまう。
天神森の段は芳穂のお初に希の徳兵衛、ツレに小住、聖。三味線は錦糸、清丈、友之助、清公演、清方。錦糸の三味線に期待していたのだが、お初より徳兵衛を軸に物語が進むので、錦糸の三味線を堪能…というわけには行かなかった。また、今回の演出か小住の語りが意外と多かった。
人形は勘十郎のお初に玉助の忠兵衛。勘十郎は慣れたもので、天満屋では後毛が数本顔にかかって、哀れな中にも色気があった。玉助は…、気負いがあるのか、いつも以上に顔で芝居をしていて、生玉社で袋叩きにされるところなどは、本人の体がフラフラになって人形より目立っていたのはどうかと思った。
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