「妹背山婦女庭訓」三段目
太宰館の段は睦・勝平。このコンビで定着しつつあるのかな。睦は声の掠れが厳しい。
妹山背山の段は呂・清介の大判事、織・藤蔵の久我之助、錣・宗介の定高、呂勢・清治の雛鳥。妹山がとてもよく、泣かされた。呂勢は前回の定高をもう一度と思っていたが、可憐な雛鳥もよく似合う。というか、雛鳥がよくないと泣けないと思った。語りだしはそれほどでもなかったが、割り台詞など音楽的なところが耳に心地よく、雛鳥の可憐さが胸に迫る。後半、定高と声を合わせての語りも心震えた。錣の定高は武家の女主人にしてはウエットすぎる気もするが、情感に溢れるのは悪くない。
一方の背山は…。織の久我之助はちょっと武張すぎるのか、もったいぶったように感じてしまう。呂の慎重な語りは大判事に合っているのかも、と思いつつも、どうにも共感しにいキャラクターだ。久我之助が腹を刺してから「覚悟の切腹急くことはない」とか言われると、どうしても笑ってしまう。
人形は、一輔の雛鳥、玉佳の久我之助がどちらもやりすぎないながら、情が感じられてとてもよい。和生の定高、玉男の大判事h言わずもがな。
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