2022年12月11日日曜日

12月11日 吉例顔見世興行第三部

「年増」

20分の短い舞踊。年増といっても20歳そこそこだそうだが、一人語りのように様々踊り分ける趣向。以前も思ったけど、時蔵は時折脚がガニ股のようになっておっさんぽく見えるのがいただけない。せっかく時蔵に来てもらうなら、関西の役者と絡む役で見たかった。


「女殺油地獄」

愛之助の与兵衛は格好つけて情けなく、浅慮で見栄っ張り…と与兵衛に求められる要素を余すこととなく体現(←褒めてる)。以前から、当代一の与兵衛と思っていたけれど、よりグレードアップした感じ。徳庵堤ではうかれて声のトーンが高く、より若々しく感じた。河内屋では悪態をつくのが甘えと裏表で、子どもが駄々をこねるよう。そして、豊島屋では改心したようすを見せながらも、すぐに調子よくなってお吉の好意に付け入ったり、泣き落としにかかったり。殺意を抱いてからは狂気の面持ちで、残酷ながら美しい。
孝太郎のお吉も過不足なく、与兵衛への好意からいろいろ世話を焼いていて、誤解されてしまうのだけど、その好意は男女の、ではないのだろうなという感じ。 
花車お杉の千寿に仲居おまさのりき弥、皆朱の善兵衛と刷毛の弥五郎は松十郎と千次郎など、上片歌舞伎の面々が出ていたのも嬉しい。
七左衛門は進之介。久しぶりに見たが、太川陽介に似てた。 

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