2022年2月23日水曜日

2月13日 文楽公演 第二部


「加賀見山旧錦絵」

草履打ちを咲・織・靖・小住に燕三。
初日が直前で休演になったので、実質的な初日に。幕開きの拍手にに熱がこもる。
咲の岩藤が憎々しく、健在ぶりに安堵。織は病み上がりとは思えないくらいよく声がでている。が、尾上は声が高すぎないか?老女形というより娘のようで役にあわないし、キンキンした声が耳に触った。
靖と小住は出番少なくないか?わざわざ配役するほどでもないし、腰元は1人でもよかったのではと思った(…が再見して、腰元は複数でガヤガヤしているほうがいいと認識を改めた)。4人でのユニゾンが不揃いだったのは、稽古不足か。日を重ねれば揃うと期待。

廊下は三輪・団七。
岩藤の底意地の悪さが絶妙。

長局は前が千歳・富助、後が織・藤蔵。
千歳は実質切語りらしく、安定した語りで、義太夫節を聞いているという感じがする。岩藤の憎らしさ、尾上の節度ある落ち着き、お初の若さが的確に感じた。
織は盆が回るなりクライマックスで、いきなりフルスロットルで語るのは難儀だと思うが、ちょっとやり過ぎというか、うるさく感じてしまった。  

奥庭は希の岩藤、咲寿のお初、津国の庄司・忍びに清志郎。
希は老けた感じはあるが、憎らしさが薄く、善人のよう。咲寿は出だしの語りは力強くて良かったが、お初の叫ぶようでヒステリックな語りが耳に障った。狂乱より、主人大事の健気さが欲しかった。

人形は和生の尾上は期待通り。岩藤の清十郎は、人形の腰がせむしのようだったのが気になった。お初の勘十郎は熱演。ちょっと気になったのは、弾正と岩藤の密談を衝立の裏で盗み聴いている場面で、左遣いの頭や主遣いの顔が見えていたのが興ざめ。(たまたま、簑助が同じ役を演じるのを映像で見たところ、左遣いは腰をかがめていたし、主遣いも人形が表に出るまでは姿を隠していた)

20日に再見。咲の語りはより深さを増しており、織も前半は落ち着いた感じだったが、後半はキンキンした感じで聞きづらかった。長局も聴くのがしんどかった。義太夫の語りには、憂いというか、濁りというか、ちょっとした不純物が必要に思うのだが、織はきれいすぎて、逆に耳に障る。奥庭の咲寿も聞きづらいが、これは調子が外れているから。

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