2020年9月19日土曜日

9月12日 文楽入門

「壷坂観音霊験記」

亘の短い解説に続いて、沢市内より山の段。前を靖・錦糸、後を錣・宗助に燕二郎のツレ。
亡くなった嶋太夫が、呂太夫襲名時に勤め、好んでいたと聞いたので、少し違う気持ちで聞いてみたが、やはりあまり好きな演目ではなかった。近代に作られたのでフシがいいのかな。
靖・錦糸のは、素浄瑠璃でも抜粋版を聞いたことがあったが、しみじみとしている。靖は途中、顔を紅潮させる力演。錦糸の音は素朴というか、余計なものがない感じ。
錣・宗助は相性がよさそう。ツレの三味線は、観音様が出てきて目が見えるようになってからなので、弾き終わってから終演までの間が短く、ハラハラする。
人形は清十郎のお里に玉助の沢市。がけに身を投げてから息を吹き返すところで、人形より先に人形遣いが姿をあらわすのは興ざめ。
物語に集中できなかった一因は、実際に壷阪寺を訪れて、あんながけがないことを知っているから。土曜日というのに、客入りが半分くらいしかなかったのも、寂しかった。19時45分開演というのは遅いよなあ。

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