2020年9月10日木曜日

9月10日 文楽公演 第二部

なぜかこれだけ完売している第二部に戻りがあったので急きょ。

「槍の権三重帷子」
浜の宮婆の段は藤・團七。三味線の音が乱れ気味。25分弱の場面でこれといった見せ場はなく、権三のダメ男ぶりが垣間見られるばかり。藤はこれでいいのか?
人形は出遣いで、お雪の紋臣がかわいらしい。ところで、お雪が権三に贈った帯には縦に紋が描かれているのだが、これでは帯を締めたときに横を向いてしまうのでは…。

浅香市之進留守宅の段は織・藤蔵に清允の琴。織は堂々とした語りぶり。なぜか娘お菊の声が太くてかわいくないのは、連日の重責で喉を酷使しているせい?堂々としているのは結構だが、心の機微のようなものは感じにくいかも。中盤あたりから、いびきのような唸り声のようなものが聞こえる…と思ったら、藤蔵?複雑な手が多くて、三味線としては力の入るところだろうが、音楽を阻害してしまっては本末転倒。
人形はここから頭巾をかぶって。今回特別の演出なのか?乳母の話を立ち聞きするおさゐ(和生)の心理描写が細かい。
琴の台が朱塗りだったのは、織の見台をそろえたのだろうか。

数寄屋の段は病気休演の咲の代役の織と燕三。舞台転換もあって、いったん盆で引っ込んでから、再びの登場。燕三は顔が引き締まったような。
織は引き続いての熱演だが、嫉妬に狂うおさゐが怖い。

伏見京橋妻敵討の段は三輪、芳穂、小住、亘、碩に清友、団吾、友之助、清公。びしっとそろった三味線が心地よい。
人形は再び出遣い。市之進の玉佳がりりしい。

改めて見て、変な話だなあと思っていたら、後ろの席の初老の夫婦?が同じような感想を言い合っていた。斜め後ろの席に駒之助がいたのだが、終始うつむき加減で身じろぎしないので、感想はうかがえず。床に並んだ小住がそのあたりをガン見していたのは、気づいたのか、知っていて確認したのか。

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