冒頭に仁左衛門のトークショー。20歳の時にはじめて主役を演じた作品であることや、役の解釈などをお話になった。
与兵衛とういう男はとにかく見栄っ張り。セリフに何度も「男が立たない」とでてくる。けれど、弱い犬ほどなんとやらで、本当は弱い。殺しの場面は最初は怖がっているのだが、だんだん殺しを楽しむようになり、最後、我に返って怖くなる。
与兵衛とお吉の間に恋愛感情があるかのように解釈している作品もあるが、断じて違う。それは今の価値観。当時はご近所が世話を焼くことが当たり前だった。
シネマ歌舞伎は最初反対だった。生の舞台の空気を感じてほしい。ライブだったら、歳をとってからも若い空気を醸し出せるが、映像ではムリ。シワがハッキリ映ってしまう。けれど、お客さんが喜んでくれて、舞台を見に行くきっかけになるならいいかと。
孫の千之助には、自分が初演した20歳になったら演じるよう言っている。その時は自分が徳兵衛、おさわは兄の秀太郎、お吉を孝太郎で。
歌舞伎座での舞台をナマでも見ているけれど、シネマ歌舞伎は細かい表情までよく見えるので、また違った面白さ。
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