新歌舞伎らしい、理屈をこね回した話。父の敵討ちに加わらない理由がよく分からないので、兄弟の手助けくらいしてやれよ、と思ってしまった。
我當と進之介の親子共演なのだか、格の違いが歴然。進之介、血気にはやる若者ははまり役なのだが。
「一条大蔵鐔」
仁左衛門の一条大蔵、アホなときすごく可愛いのだか、「身替座禅」の右京のほうが私は好き。でも、品のあるバカ殿ぶりに客席の空気が緩む。後段、凛々しくなってかららのほうは、本領発揮。ほれぼれする男ぶり。
秀太郎の巴御前、吉弥と、息のあった座組で、安定感があった。
思いがけず、腰元の1人が芝のぶで目の保養。
「杜若艶色紫」
福助の悪女は結構好きなのだか、蓮っ葉な凄みはあるのだが、あんり美しさは感じられなかった。蛇遣いだけあって、爬虫類的な粘着質な怖さというか。
橋之助、ヒーローもいいが、悪役もいいなあ。何を観てもハズレがないって、凄いことだ。
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