「金太郎の大ぐも退治」
親子劇場だけあって、客席の半分くらいは子供。鬼や大ぐもが出てくるところでは、結構怖がっていた。義太夫が文語調だったので、言葉がわからないかな…と心配したけれど、ビジュアルだけでも話の筋は分かるようで、特に問題はなさそう。
子ども向けを意識してか、人形さんが主遣いも黒衣で顔も隠していた。若手が多かったせいか、蜘蛛や鬼の動きがややぎこちなかったように感じた。
スモークが焚かれて大ぐもが現れたり、小さな蜘蛛が何匹も降ってきて金太郎に襲いかかったり、と仕掛けが満載で、見ていて面白い。最後は宙乗りで、人形だけが乗っていくのかと思っていたら、主遣いさんが1人で人形を遣いながら吊られて行ったのでびっくり。しかも、2人同時に。
「瓜子姫とあまんじゃく」
口語体で語るものなので、内容は分かりやすいけど、ちょっと違和感も。文末が「瓜子姫は…であった」「…だった」というのが続くのが、くどいというか、リズム感が悪いというか。
瓜子姫に化けたあまんじゃくが、めちゃくちゃに機を織ったり、本性を現して形相が変わったりするところが面白かった。妖怪も、一つ目の山父とか、子どもたちが怖がってるのが分かった。
嶋太夫が休演で、代役が呂勢大夫。思いがけずに聴けることになって、ちょっと得した気分。最初のほうこそ、声が出ていないようだったけど、途中からはいつもの美声を響かせてくれて満足。途中、舞台のほうをちらちらしながら演じていたのが、いつもと違って興味深かった。普段なら、じっと正面を見て演じている。急な代役で勝手が悪かったのか、語りがなくて、三味線と人形の動きだけで進むシーンが結構あったので、間合いを測っていたのか。
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