「寿曽我対面」
正月らしく、華やかな舞台。
松也が曽我五郎というので期待していたのだけど、ちょっと子どもっぽいというか、優しい印象だったのは、女方が多いせいか(プログラムによると、本人も五郎よりは十郎と思っていたよう)。声はいいし、見栄も決まっていたのだけど、顔かなぁ、なんか可愛らしく見えた。
十郎の壱太郎は、悪くないのだが、顔が小さいので立役にはあまり向かないと思う。勧進帳で演った片岡八郎も烏天狗みたいだったし。
大磯の虎の米吉が美しい。1年前も可愛いと思ったけど、より綺麗になった(…て男の人への褒め言葉なのだろうか)。化粧坂少将の梅丸も可愛くて、これからが楽しみな役者だ。まだ高校1年生だそうな。
工藤祐経は海老蔵。この座組のなかでは年長格だし、貫禄はあるのだけど、他の人が芝居をしている時に退屈そうな顔に見えるのは、いかがなものか。
「極付幡随長兵衛」
海老蔵が長兵衛。江戸の侠客のダンディズムだそうだが、よく似合ってた。格好つけてる様が、本人に重なるのか、もったいつけたようなセリフ回しや尊大な様子がはまってる。
女房お時の孝太郎は、夫を支えるいい女房っぷり。こういうのは上手いなぁ。
敵役の水野十郎左衛門に愛之助。悪い役もいいのだが、この人、悪人というより、卑劣な奴では…?藤見に、と騙して呼び出した(これは長兵衛も気付いていたが)うえに、和解しようと言って油断させ(これも怪しまれているが)、風呂に入れて丸裸にしてから襲いかかるって…。しかも二人掛かり。「殺すには惜しい」とか言いながら、やっぱり殺しちゃうし。ありがちなパターンとしては、長兵衛の漢気に触れて、水野が態度を改めるとかじゃないの??…と思ったのか、幕が降りてからも、続きがあると思って席を立たない人が多かった。
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