2011年10月10日月曜日

9月25日 松竹大歌舞伎 西コース

「雨の五郎」

愛之助が曽我五郎。すっきりした二枚目で見せどころもたっぷり。
けど、舞踊は難しいなあ。

「義経千本桜」

茶店とすし屋。たしか、前回の巡業公演もそうだった。
仁左衛門のいがみの権太に秀太郎の小せん、維盛、孝太郎のお里に愛之助の小金吾…と松嶋屋一門で固めているので、バランスがよくて、息もぴったり。

それにしても、仁左衛門の権太は何度見てもいいなあ…。小せんと子供を身代わりに差し出すところなど、心情が伝わってきて、泣かされる。小せんとのやり取りも、心の声が聞こえてくるようで。

維盛の登場のシーンでは、寿司桶をふつうに持っているところが、他と違う。他の家では、さぞ重いもののようによろよろと登場し、そのあと、お里がひょいと持ち上げて、笑いどころになっているのだけど、よく考えてみたら、商いの帰りなのだから、寿司桶の中身は空。いくら非力なお殿様だからって、空の寿司桶なら持てるはずで、リアルなのはこちらのほうかも。

愛之助の小金吾ははまり役というか、もはや安定感を感じるほど。ファンとしては、いい意味での裏切りを期待したい気もするけど。

意外によかったのが、薪車の景時。こういう、重厚感を要求される役も悪くない。

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