「吹雪峠」
助蔵(愛之助)とおえん(孝太郎)が吹雪の中、山小屋に辿りつく。元の兄貴分である直助(染五郎)の元女房だったおえんを寝取ったことを悔い、弱気になる助蔵。そんななか、偶然にも直助が山小屋に迷い込む。3年ぶりの再会に驚き、直助に詫びる助蔵とおえん。直助は好きな女の好きにさせてやると言って、2人を許すそぶりを見せるが、咳込んだ助蔵の看病をするおえんの様子を見て(口移しで薬を飲ませる! 色っぽいシーンなのに見ていてとっても恥ずかしかった…)、やはり許せないので、吹雪の中、2人に出ていくよう言い出す。せめて夜明けまで待ってほしいと泣きつく2人を許せず、直助が刀に手をかけると、助蔵、おえんはそれぞれ、自分だけは助けてほしいとエゴをむき出しにして……というストーリー。登場人物の感情がくるくる変わっていく様はまるで現代劇のよう。だが、何だかすとんと胸に落ちなかったのは何でだろう?3日目だったので、まだ芝居がこなれていなかったのかな?
愛之助の助蔵、病み上がりで体調がすぐれないという役柄も影響しているのかもしれないが、なんとも情けない。一方、おえんは「隠れて会うからよけい燃える」というようなことを言って(正確なセリフは忘れた)、助蔵にしなだれかかったり、直助に命乞いをするときに手を取って自分の胸元に差し入れたり…とやたら色気を振りまくのだが…。見ているほうが恥ずかしくなっちゃうのは何でだろう。
「夏祭浪花鑑」
吉右衛門の団七に仁左衛門の徳兵衛という、超豪華なキャスティング。仁左衛門がやたら格好よかったのだが、一方、団七は…。動きにキレがないというか、全体的にもっさりした感じがした。
磯之丞の錦之助は、女にだらしなく、頼りない若侍(?)ははまり役(失礼!)。福助のお辰は悪くないはずなのに、いまいち期待外れだったかも。期待値が高すぎたのかな?段四郎の義平次は、憎たらしいオヤジっぷりが凄かった。
イヤホンガイドで、「祭は狂気をはらんでいる」という解説があったのだが、リオのカーニバルを例に挙げるのはいかに?神田祭とかだんじり祭りで十分でしょう。
「色彩間苅豆」
かさねの舞踊版。時蔵のかさねに染五郎の与右衛門という、美男美女で見た目に楽しい(←これ大事)。あざができて醜くなるのが恐ろしいのは、前半の美しさとのギャップがあってこそ。
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