木の実から小金吾討死、すし屋。
松緑の権太は江戸前のちゃきっとした兄ちゃん(チャキチャキではない)。太ももまで着物を捲り上げ、どっかと座る姿は様になる。いつものごとく口跡がわるく、仁左衛門のような可愛げがないのでただの荒くれ者といった感じなのだが、手負いになってからはよかった。良かれと思ってしたことが伝わらずに報われない哀れ。家族に囲まれるなか、母親が頬を寄せて泣き咽ぶ悲しさがひしひしと伝わった。彼の持ち味は不器用そうなところなのかもしれない(紀尾井町の坊なのに…)仁左衛門と型が違うところも多く、泣き真似のとき舌は出さないとか笛は母親が吹くとか。
新吾の小金吾は若武者の一本気な感じがいいが、どこかなよっとして見える。魁春の園生の前は姿勢がお婆さん。ビブラートのかかった発声が歌右衛門を思わせる。
左近のお里は期待通りの可愛さ。維盛に妻子がいると知って身を引くも、出家するのについて行きたいと縋るのが痛いけ。弥左衛門女房の名はおくらで、斎入。クールな感じがするのは江戸風なのか。弥左衛門は橘太郎。ちょっと小ぶりな感じもするが、きっちりした親父さんという感じ。維盛は萬寿。弥助から弥左衛門への変わり身が自然で、お里への気遣いも感じられた。
種之助の小せんが若々しく献身的ないい女房。花道の「瑞々しいなぁ」はなかったが、瑞々しい。
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