「一谷嫩軍記」
熊谷桜を靖・勝平。
靖はまた悪い癖がでて声のコントロールが効いていない感じ。特に相模や藤の局の高音域が辛い。
熊谷陣屋の切は千歳・富助。人物の語り分けが的確で、敦盛の最期(嘘だけど)を緩急のある語りで聞かせる。今、一番充実した語りだと感じる。
後は藤・燕三。藤の語りはちょっと物足りない感じもあるが、「持ったる首が揺るぐのを頷くように思われて」が沁みた。「十六年もひと昔」をさらりと語るのも良かった。燕三の柔らかい音色が切々と響く。
人形は玉志の熊谷が体の芯が傾いでいるのが気になった。玉也の弥陀六が手堅い。一輔の義経は役不足と言うと何だけど、もっと色々観たかった。
「桂川連理柵」
六角堂はお絹の睦が療養のため休演し、長吉の咲寿が繰り上げで代役。長吉には碩が入り、儀兵衛は南都、三味線は清馗。
咲寿は落ち着いた語りで悪くない。碩は戯けた語りが少し硬いが、急な代役としては立派。
帯屋の切は若・清介。相変わらず。お取り巻きの「待ってました」の掛け声に加え、盆が回るなり退席するのはいただけない(しかも、道行で戻ってきた)。
後は呂勢・清治。パッと色彩が戻ったよう。
道行朧の桂川は希、小住、碩、聖、薫に清友、清丈、清公、清允。
人形は玉男の長右衛門に和生のお絹、玉助の儀兵衛、簑紫郎の長吉、勘弥のお半。
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