2025年7月13日日曜日

7月13日 未来につなぐ、能楽の世界

野村萬斎プロデュースの万博イベント。「鬼」を切り口に、「翁」「野守」「道成寺」「土蜘蛛」「菌」「紅葉狩」「船弁慶」のダイジェストで春夏秋冬を描く趣向。「菌」を鬼とするのはちょっと無理がある気もするが。
翁は金剛永謹、道成寺は大槻文蔵と福王茂十郎という豪華配役は勿体無いくらいだが、映像の効果もあって初めて見る人にも満足感があったのでは。(というか、映像がないとしょぼくなっていたと思う…)舞台後ろの縦長のスクリーンを上げ下げして幕のように使い、道成寺では鐘の映像を映した幕の後ろから鬼が登場した。 一番の見ものは大槻文蔵の「道成寺」だったと思うが、鐘入りの後、鬼と化してからの舞を5分ほどだが、ミニマムながらキレのある動きが美しい。おそらく今後道成寺を演じることはないだろうから、観られたのは幸いだった。 「菌」では子どもたちが小さいきのこで登場し、微笑ましい。「紅葉狩」は前シテと後シテを別の人にしたことで、展開がスムーズに。「船弁慶」の義経は福王登一郎か。知盛の他に4人の武者の亡霊が現れ、舞台下に広がって立ち回り。わずか1時間弱の舞台に主演者多すぎでは。
最後は鬼の面を被った萬斎が現れ、「外身は鬼だが、中身は人」と言って素顔を現す。公演を振り返りつつのトークが少々長いうえ、誰をターゲットにしているのか(子ども向け?)よく分からなかった。これを機会に能楽堂を足を運んで、ということか。 14日19時の部を再見。 演出がちょっと変わっていたようで、開演前には鬼の面をかけた萬斎が客席を歩き回り、写真撮影や握手に応じていた。 「翁」は天下泰平を願う一節だけで、同時に「野守」の鬼たちも舞台下や客席後方に登場。「道成寺」では炎をイメージした赤いライトが過剰に感じた。

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