碩・寛太郎で「玉藻前㬢袂 道春館の段」
1時間余、筒いっぱいの熱演で、義太夫節を聴いてるという充実感。碩は後室、姫、金藤治の語り分けもしっかりしてるし、立ち回りの畳み掛けるような語り、金藤次のモドリも情感たっぷりで聞き応えアリ。後室の語りにもう少し柔らかさがほしかったのと、娘2人がほとんど一緒だったのが課題か。
寛太郎はキッパリした演奏で、叩きバチなどの激しいところは目が覚めるよう。
演奏前のトークで、碩が京都市の芸術文化特別奨励制度に選ばれた(2回目の申請で)ことから、積極的に会を開いたり、古い肩衣を修繕に出して職人とも関係を作ったりしているそう。玉藻前は淡路でも上演されているし、かつては素人もよく稽古していた曲なのに文楽ではしばらくかかっていないこと、前回は師匠の千歳が語ったことなどからの選曲。寛太郎も師匠の宗助が千歳と2度ほど勤めたことがあり、教えてもらったそうだ。
2025年6月29日日曜日
2025年6月22日日曜日
6月22日 文楽若手会
「妹背山婦女庭訓」
道行恋苧環は咲寿のお三輪、碩の橘姫、薫の求女、織栄に燕二郎、清允、清方、藤之亮。
碩以外は音の調子に難ありで、お三輪が可愛くなくて、調子っぱずれな語り。三味線は途中走って崩れそうになるも踏ん張った。燕二郎はお三輪の登場の華やかな手が冴えてた。
鱶七支社の段は亘・錦吾。
亘は荒武者のような太い声はよく合っている。
姫戻りは清・清允。
素直な発声に好感が持てる。
金殿は小住・清公。
意地悪な官女が憎たらしくてよき。清公は精一杯という感じでこれもまた好感度高し。
人形は和馬の橘姫は師匠譲りの端正さが感じられるもの、拙さが目立つ。玉路も同様。紋吉のお三輪は比べてまし。
「新版歌祭文」
野崎村の前を靖・寛太郎。
靖、変な力みがなくて久しぶりに真っ当な語りで安心して聞けた。三味線のおかげ?
後は希・友之助に藤之亮のツレ。
希は大きく語ろうと気張っている感じがする。
2025年6月21日土曜日
6月21日 六月大歌舞伎 昼の部
「元祿花見踊」
右近の出雲阿国は立女形の貫禄が少々鼻につく。隼人の名古屋山三は男前。 ほか、元禄の女に廣松、莟玉、玉太郎、笑野、緑、りき弥、元禄の男に男寅、歌之助、左近、菊市郎、蝶紫、蔦之助。
左近は化粧の鼻筋立てすぎでは。途中まで誰だか気づかなかった。
「車引」
菊之助の梅王丸。大人に混じると小ささが目立つが、手足をいっぱいに広げての力演。足の親指を立てるのは苦手なのか、角度が甘かったり、全部の指が立っていたり。太い声を出そうとしているのは伝わるが、無理をしているようでところどころ声が掠れるのは本人も悔しかろう。隈取りの顔が吉右衛門に似てた。吉太郎の桜丸は柔らかい風情がよき。鷹之資の松王丸はさすが型がきれい。杉王丸の種太郎、種之助と勘違いしていたので、ちっこいのが出てきてびっくり。子どもらしい頑是なさが杉王のキャラに合っていて好演。
「寺子屋」
寺入りからなので、時蔵の千代の造形がくっきりする。寺子屋を後にしようとするところ、すがる小太郎を嗜めていったん戸外に出た後で「扇を落としていませんか」と戻るやり方は初めてみた。我が子との別れを惜しむのを強調する狙いだろうが、ちょっとくどく感じた。
愛之助の源蔵は3回目だそうで、ちょっと手を抜いてません? さらさらと過ぎていく感じがした。戸波は雀右衛門で、姉さん女房ぽく脇をしっかり固める。
菊之助の松王丸も情が薄く感じた。前回はもっと迫ってくるものがあった。
「お祭り」
仁左衛門の鳶頭は若々しく颯爽として格好いい。芸者が孝太郎なので、あまりイチャイチャせず。若い衆や芸者を加えて、ただ座ってニコニコしてても華やか。 鳶の者に彦三郎、亀蔵、隼人、歌之助、手古舞に壱太郎、種之助、米吉、児太郎が花を添える。 児太郎が誰よりもガタイがよいのはいかがなものか。
右近の出雲阿国は立女形の貫禄が少々鼻につく。隼人の名古屋山三は男前。 ほか、元禄の女に廣松、莟玉、玉太郎、笑野、緑、りき弥、元禄の男に男寅、歌之助、左近、菊市郎、蝶紫、蔦之助。
左近は化粧の鼻筋立てすぎでは。途中まで誰だか気づかなかった。
「車引」
菊之助の梅王丸。大人に混じると小ささが目立つが、手足をいっぱいに広げての力演。足の親指を立てるのは苦手なのか、角度が甘かったり、全部の指が立っていたり。太い声を出そうとしているのは伝わるが、無理をしているようでところどころ声が掠れるのは本人も悔しかろう。隈取りの顔が吉右衛門に似てた。吉太郎の桜丸は柔らかい風情がよき。鷹之資の松王丸はさすが型がきれい。杉王丸の種太郎、種之助と勘違いしていたので、ちっこいのが出てきてびっくり。子どもらしい頑是なさが杉王のキャラに合っていて好演。
「寺子屋」
寺入りからなので、時蔵の千代の造形がくっきりする。寺子屋を後にしようとするところ、すがる小太郎を嗜めていったん戸外に出た後で「扇を落としていませんか」と戻るやり方は初めてみた。我が子との別れを惜しむのを強調する狙いだろうが、ちょっとくどく感じた。
愛之助の源蔵は3回目だそうで、ちょっと手を抜いてません? さらさらと過ぎていく感じがした。戸波は雀右衛門で、姉さん女房ぽく脇をしっかり固める。
菊之助の松王丸も情が薄く感じた。前回はもっと迫ってくるものがあった。
「お祭り」
仁左衛門の鳶頭は若々しく颯爽として格好いい。芸者が孝太郎なので、あまりイチャイチャせず。若い衆や芸者を加えて、ただ座ってニコニコしてても華やか。 鳶の者に彦三郎、亀蔵、隼人、歌之助、手古舞に壱太郎、種之助、米吉、児太郎が花を添える。 児太郎が誰よりもガタイがよいのはいかがなものか。
2025年6月18日水曜日
6月18日 文楽鑑賞教室 Cプロ
「五条橋」
睦の牛若丸、亘の弁慶、薫、織栄。主役2人は一番良かったかも。なんやかやいって睦はキャリアがあるので、貴公子然とした牛若丸をちゃんと語っていたし、亘の弁慶がちょうどいい太さ。
人形は玉彦の弁慶がよき。弁慶らしい堂々とした動き、首をばーったりと回すなど、首の使い方が効いていた。牛若丸は玉誉。滑るように歩くので、浮いているみたい。
解説は簑太郎、清之助(左は失念)
「三十三間堂棟由来」
中は小住・清丈。
4組の中ではピカイチの安定感。
奥は芳穂・錦糸。
抑えているのか声の抑揚にムラがある感じで、聞きづらい。錦糸はいつも通り。
人形は紋臣のお柳が楚々としてよき。玉佳の平太郎は颯爽として朗らか。帰宅するところなど、鼻歌歌ってそう。玉路のみどり丸はちょっと元気ないかも。
睦の牛若丸、亘の弁慶、薫、織栄。主役2人は一番良かったかも。なんやかやいって睦はキャリアがあるので、貴公子然とした牛若丸をちゃんと語っていたし、亘の弁慶がちょうどいい太さ。
人形は玉彦の弁慶がよき。弁慶らしい堂々とした動き、首をばーったりと回すなど、首の使い方が効いていた。牛若丸は玉誉。滑るように歩くので、浮いているみたい。
解説は簑太郎、清之助(左は失念)
「三十三間堂棟由来」
中は小住・清丈。
4組の中ではピカイチの安定感。
奥は芳穂・錦糸。
抑えているのか声の抑揚にムラがある感じで、聞きづらい。錦糸はいつも通り。
人形は紋臣のお柳が楚々としてよき。玉佳の平太郎は颯爽として朗らか。帰宅するところなど、鼻歌歌ってそう。玉路のみどり丸はちょっと元気ないかも。
2025年6月17日火曜日
6月17日 映画「国宝」
約3時間ながら、目まぐるしい展開で飽きさせないが、原作の長編小説の要素を詰め込んだため少々駆け足な感じも。
吉沢悠は思ったよりは悪くなかったが、セリフより顔で芝居をしている。曽根崎心中の代役で稽古をつけられている時、「お初になり切れないから水臭い芝居になるんや」みたいなことを言われるのだが、何かに憑かれたような表情にハッとしたが、声色は気持ち悪いままだった。
田中泯の女方は柔らかな話しかたが大成駒を思わせ、大物らしい凄みも。踊りは日本舞踊ではなく、舞踏を感じた。
半半コンビの曽根崎心中は化粧が剥がれかけてぐしゃぐしゃ。グロテスクさを見せたかったのか知らんが、舞台に上がる以上、ああいう姿は見せないのではと思った。
吉沢悠は思ったよりは悪くなかったが、セリフより顔で芝居をしている。曽根崎心中の代役で稽古をつけられている時、「お初になり切れないから水臭い芝居になるんや」みたいなことを言われるのだが、何かに憑かれたような表情にハッとしたが、声色は気持ち悪いままだった。
田中泯の女方は柔らかな話しかたが大成駒を思わせ、大物らしい凄みも。踊りは日本舞踊ではなく、舞踏を感じた。
半半コンビの曽根崎心中は化粧が剥がれかけてぐしゃぐしゃ。グロテスクさを見せたかったのか知らんが、舞台に上がる以上、ああいう姿は見せないのではと思った。
2025年6月16日月曜日
6月16日 文楽鑑賞教室 Dプロ
「五条橋」
希の牛若丸に咲寿の弁慶。どちらも難ありで、全体的にがちゃがちゃした感じ。ツレは碩、薫。
三味線は団吾、友之助、清公、清允、藤之亮。太夫と一緒で、まとまりのない感じ。
人形は和馬の牛若丸に勘介の弁慶。若手の懸命さはいいが、やはりまだまだの感じ。和馬の牛若丸は体の芯が傾いでいる感じだし、動きも少し重い。扇を広げきらないなど小物づかいにも課題が残った。勘介も、人形の重さに負けているのか。薙刀の扱いに苦戦している感じで、もっと刃から遠いところを持つ方が格好いいのでは。
解説は勘次郎。左を玉延、足を簑悠。
「三十三間堂棟由来」
中を靖・清志郎。
千歳の悪いところを真似しているのか、顔で語っている感じ。清志郎はキリッとした演奏。
奥を織・藤蔵。
お柳の嘆きが激しすぎというか、植物なのだからもっと静かな感じでいいのではと思う。藤蔵とのコンビは相乗効果で派手。熱心なファンがいるのは結構なことだが、「たっぷり」の大向こうは演目に合っていない。
人形は一輔のお柳がしっとりと美しい。簑紫郎の平太郎は颯爽とした男前。勘昇のみどり丸は可愛らしい。
2025年6月15日日曜日
6月15日 七月大歌舞伎 夜の部
菊五郎・菊之助襲名披露の「連獅子」のみ幕見で。
菊之助の踊りがキビキビとして、おおらかに構える親獅子に懸命に向かっていく風情が好ましい。菊五郎が一人で踊るところをじっと見つめ続けている様は、役を離れて父への尊敬が垣間みえるよう。小柄な体で精一杯の動くので、つい子獅子ばかりに目がいってしまう。転がされるところで斜めになってしまったり、花道の出入りの勢いが物足りなかったり(だって小さいから)もあったが、子獅子の健気さがいや増した。
菊五郎の親獅子は抑えめな感じながら、子獅子が崖を這い上がってくるところの眼差しは慈愛に満ちていた。
宗論は獅童と愛之助。この並びだと愛之助が上手く見える。獅童は少し砕けすぎな感じ。
前日に幕見で見た口上は、松緑、仁左衛門、梅玉、團十郎。口々に菊之助をべた褒め。
菊之助の踊りがキビキビとして、おおらかに構える親獅子に懸命に向かっていく風情が好ましい。菊五郎が一人で踊るところをじっと見つめ続けている様は、役を離れて父への尊敬が垣間みえるよう。小柄な体で精一杯の動くので、つい子獅子ばかりに目がいってしまう。転がされるところで斜めになってしまったり、花道の出入りの勢いが物足りなかったり(だって小さいから)もあったが、子獅子の健気さがいや増した。
菊五郎の親獅子は抑えめな感じながら、子獅子が崖を這い上がってくるところの眼差しは慈愛に満ちていた。
宗論は獅童と愛之助。この並びだと愛之助が上手く見える。獅童は少し砕けすぎな感じ。
前日に幕見で見た口上は、松緑、仁左衛門、梅玉、團十郎。口々に菊之助をべた褒め。
6月15日 新国立劇場バレエ団「不思議の国のアリス」
米沢唯のアリスは軽やか。
奥村康佑の白ウサギがウサギらしい仕草、足捌きで、表情豊か。跳ねるようなジャンプがウサギらしい。基本慌てて困っているのだが、アリスを助けたお礼にキスされて照れる表情が何ともキュート。カーテンコールでも頭を掻く仕草で沸かせた。
木村優里のハートの女王が期待以上で、突き抜けた演技がとてもエキセントリックな女王らしい。長い腕を活かした首切りのポーズや少し首を傾けた威圧的な態度、タルトアダージョもやりすぎなくらいコミカルで笑わせた。トランプの男性は速水省吾ら。女王に怯えて先を譲り合う芝居は昨日のほうが役者が上か。
マッドハッターのスティーブ・マッケイは流石の存在感。軽やかなタップでリズムを自在に操る。
奥村康佑の白ウサギがウサギらしい仕草、足捌きで、表情豊か。跳ねるようなジャンプがウサギらしい。基本慌てて困っているのだが、アリスを助けたお礼にキスされて照れる表情が何ともキュート。カーテンコールでも頭を掻く仕草で沸かせた。
木村優里のハートの女王が期待以上で、突き抜けた演技がとてもエキセントリックな女王らしい。長い腕を活かした首切りのポーズや少し首を傾けた威圧的な態度、タルトアダージョもやりすぎなくらいコミカルで笑わせた。トランプの男性は速水省吾ら。女王に怯えて先を譲り合う芝居は昨日のほうが役者が上か。
マッドハッターのスティーブ・マッケイは流石の存在感。軽やかなタップでリズムを自在に操る。
2025年6月14日土曜日
6月14日 新国立劇場バレエ団「不思議の国のアリス」
高田茜のアリスは1幕目、表情が硬くやつれた様に見えたが、2幕間からは柔らかな表情。踊りの表現がとても豊かで、1幕は表情を補って溌剌としていた。柔らかいポールドブラ、ジャンプの軽やかさが目を惹く。井澤駿とのパートナーシップは不慣れなためか、回転で回りきれないところも。
ルイスキャロル/白ウサギは中島瑞稀。なのだが、雰囲気が違って分からなかった。ウサギの仕草や表情の付け方に奥村康佑みを感じた。
目当ての1つだった福田圭吾のマッドハッターはタップが重たげ。リズムに合っていないわけではないのだが、軽快さに欠けるというか、自由自在にこなせていないというか。バレエダンサーにタップは難しいのだな。
ハートの女王、柴山沙帆はもっと吹っ切れた演技が欲しい。タルトアダージョのダイヤの5に奥村康佑がご馳走。踊っていない時も細かい芝居で楽しませてくれた。(渡邊峻郁もいたと後で知った)
ルイスキャロル/白ウサギは中島瑞稀。なのだが、雰囲気が違って分からなかった。ウサギの仕草や表情の付け方に奥村康佑みを感じた。
目当ての1つだった福田圭吾のマッドハッターはタップが重たげ。リズムに合っていないわけではないのだが、軽快さに欠けるというか、自由自在にこなせていないというか。バレエダンサーにタップは難しいのだな。
ハートの女王、柴山沙帆はもっと吹っ切れた演技が欲しい。タルトアダージョのダイヤの5に奥村康佑がご馳走。踊っていない時も細かい芝居で楽しませてくれた。(渡邊峻郁もいたと後で知った)
2025年6月12日木曜日
0612 イキウメ「ずれる」
会社社長の輝(安井順平)と弟の春(大窪人衛)が暮らす家のリビング。療養施設から戻ったばかりの春は精神的に不安定な様子で、ネットで知り合ったというラディカルな環境活動家、佐久間(盛隆二)を家に引き入れ、何やら企む。優秀な家政婦兼秘書の山鳥(浜田信也)は腹に一物ある不穏な感じ。魂魄のずれを直して不調を治すという伝説の整体師(森下創)も怪しい動きを見せる。はじめは捉えどころのない感じだったが、登場人物の事情がわかってくるに連れ、どんどん引き込まれていった。
魂魄を魂=精神と魄=肉体と捉え、整体師が魂を引っ張ると幽体離脱してしまうという設定が面白い。魂は目に見えないものが見え、動物とも通じ合える。幽体離脱した春が関わると、99%遺伝子が同じという犬が狼に変じたり、豚が猪に変わったりし、野生化した動物が野に放たれる。人間に飼われたままの方が長生きできるという輝に対し、わずかでも自由になれる方がいいという佐久間や春。リタイアした両親が暮らすインドネシアの島がパンデミックに見舞われ、助けを求める電話を冷たく突き放す春を、輝は「何不自由なく育ててもらったくせに」と非難するが、「父親は命令ばかり、母親は禁止ばかりで不自由だった」という春。同じ場所にいても見えているものが違い分かり合えない。出来る秘書山鳥は物腰柔らかだが、父親が輝の会社のために自殺に追い込まれた過去があり、復讐のために生きていることが明かされる。浜田の演技が底知れない不気味さ。ソファにもたれた輝を照らすごく絞った照明が効果的。他にも天井を照らす水槽のような光など、灯りの使い方が印象的だった。
牛舎で活動しようとしていたところを警察に見つかり、幽体離脱したままの春を置いて佐久間が逃げてくる。春の魂を肉体に戻そうと、収容された病院を探すが、結局そのままに。ただ一人常識人だった輝が最後、警察の訪問に力無く答えるラストはちょっと未消化な感じもしたが、ざわざわした感じが余韻として残った。
2025年6月7日土曜日
6月7日 文楽鑑賞教室 Bプロ
「五条橋」
咲寿の牛若丸、靖の弁慶、ツレに小住、碩、薫、三味線は清丈、友之助、清公、清允、藤之亮。 出だしの清丈の三味線がよく響き、華やか。咲寿の牛若丸は爽やか。靖の弁慶は太さはあるが、体の芯がグラグラしている感じ。
人形は玉路の弁慶が力一杯で大きさもあり好印象。簑太郎の牛若丸は、薄衣が顔に被さってしまうなど冴えない。
「三十三間堂棟由来」
中を希・清馗。
噛み合ってない感じ。
奥は呂勢・宗助。 音曲を聴いているという華やかさ、安定感。宗助はミスタッチが多かったか。
柳の葉が降ってくるところで、お柳(勘弥)、平太郎(玉助)の人形と、平太郎母の紋秀の頭に葉が刺さるハプニングにちょっと笑ってしまった。平太郎の左がサッと取り除いていたのはよき働き。みどり丸は簑悠。
咲寿の牛若丸、靖の弁慶、ツレに小住、碩、薫、三味線は清丈、友之助、清公、清允、藤之亮。 出だしの清丈の三味線がよく響き、華やか。咲寿の牛若丸は爽やか。靖の弁慶は太さはあるが、体の芯がグラグラしている感じ。
人形は玉路の弁慶が力一杯で大きさもあり好印象。簑太郎の牛若丸は、薄衣が顔に被さってしまうなど冴えない。
「三十三間堂棟由来」
中を希・清馗。
噛み合ってない感じ。
奥は呂勢・宗助。 音曲を聴いているという華やかさ、安定感。宗助はミスタッチが多かったか。
柳の葉が降ってくるところで、お柳(勘弥)、平太郎(玉助)の人形と、平太郎母の紋秀の頭に葉が刺さるハプニングにちょっと笑ってしまった。平太郎の左がサッと取り除いていたのはよき働き。みどり丸は簑悠。
2025年6月6日金曜日
6月6日 サファリ・P「悪童日記」
2017年の初演と19年の再演を観て以来だが、骨格部分は変わらないものの再演を重ね進化しており、だいぶ印象が異なった。
まず、出演者が2人増えて5人になり、双子を取り巻く登場人物も増えてシーンがより複雑になった。舞台装置の平台は白っぽいグレーに変わっていたが、出演者が様々に動かして道になったり、瓦礫になったり。(終演後のロビーで、平台のキーホルダーのガチャを売っていたくらい、劇団を象徴する存在)今回舞台後ろのスクリーンにセリフの字幕(日英)やアニメーションのような背景が映し出されたのは、理解の助けにもなったが、見るべきところが増えて疲れる感じも。 双子役は達也ともり裕子。性別も違えば身長差も大きく、外見的には全く似ていない2人だが、シンクロした動きで一体感を見せる。森は短髪で小柄な体つきは少年のよう。
双子以外はそれぞれ複数の役を演じるのだが、モノトーンベースのシンプルな衣装のままで、役によって特徴的な仕草を加えて演じ分ける。圧巻だったのは、おばあちゃん役の佐々木ヤス子で、背中を丸めながら上着の背を引っ張って腰の曲がった様子を表し、鼻を擦る特徴的な動きでクセのある人物を体現。話ぶりも偏屈ババアそのものかと思ったら、兎っ子の母親になると疲れた女にガラリと変わり、また、刑事役では高圧的な感じと変幻自在。兎っ子と女中の2役は芦屋康介で、性的に虐待される若い娘を演じる背の高い男性が妙に艶かしい。司祭役の辻本桂は一見まともそうだが、底知れない雰囲気を醸す。 上演時間は1時間15分ほどだが、濃密な時間だった。
まず、出演者が2人増えて5人になり、双子を取り巻く登場人物も増えてシーンがより複雑になった。舞台装置の平台は白っぽいグレーに変わっていたが、出演者が様々に動かして道になったり、瓦礫になったり。(終演後のロビーで、平台のキーホルダーのガチャを売っていたくらい、劇団を象徴する存在)今回舞台後ろのスクリーンにセリフの字幕(日英)やアニメーションのような背景が映し出されたのは、理解の助けにもなったが、見るべきところが増えて疲れる感じも。 双子役は達也ともり裕子。性別も違えば身長差も大きく、外見的には全く似ていない2人だが、シンクロした動きで一体感を見せる。森は短髪で小柄な体つきは少年のよう。
双子以外はそれぞれ複数の役を演じるのだが、モノトーンベースのシンプルな衣装のままで、役によって特徴的な仕草を加えて演じ分ける。圧巻だったのは、おばあちゃん役の佐々木ヤス子で、背中を丸めながら上着の背を引っ張って腰の曲がった様子を表し、鼻を擦る特徴的な動きでクセのある人物を体現。話ぶりも偏屈ババアそのものかと思ったら、兎っ子の母親になると疲れた女にガラリと変わり、また、刑事役では高圧的な感じと変幻自在。兎っ子と女中の2役は芦屋康介で、性的に虐待される若い娘を演じる背の高い男性が妙に艶かしい。司祭役の辻本桂は一見まともそうだが、底知れない雰囲気を醸す。 上演時間は1時間15分ほどだが、濃密な時間だった。
2025年6月5日木曜日
6月5日 文楽鑑賞教室 Aプロ
「五条橋」
芳穂の牛若丸、南都の弁慶、亘、聖、織栄に三味線は団吾、寛太郎、錦吾、燕二郎、清方。
下手側の席だったが、芳穂はともかく、南都の太い声が以外と届かない。三味線含め、全体的にまとまりに欠ける感じ。
人形は勘次郎の牛若丸が軽々としてよき。傘をさっと翻すところなど、小物使いも手慣れた感じ。弁慶は玉翔。
「三十三間堂棟由来」
平太郎住家より木遣り音頭の段の中を睦・勝平、奥を藤・燕三。
藤は声のコントロールが安定していて聞きやすい。三味線の木遣り音頭が軽快。
みどり丸は子役ながら木遣り音頭での舞?など、しどころが多い役。玉延の動きが丁寧で好感が持てる。簑二郎のお柳、玉志の平太郎、簑一郎の平太郎母。進ノ蔵人は休演の文昇に変わり玉勢。
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