挨拶は橋之助。
ずっと憧れていた浅草歌舞伎、勘九郎、七之助が卒業して、自分の番だと思っていたのに、1年目之正月は父と大阪で悔しい思い。2年目から出演できたが、大きな役は兄さんたちで、自分は1ヶ月が長かった。今年は座頭となり、一ヶ月があっという間。29年前に生まれた時、父が浅草歌舞伎に出ていた。29年後に座頭として出演できて嬉しい。父は30歳で初座頭だったが、自分は1年早い29歳。
解説は鷹之資。
「春調娘七草」
左近の五郎、玉太郎の十郎、鶴松の静御前。
線の細い左近だが、体をいっぱいに使って力漲る立派な五郎。
鶴松の静は悪くはないが、なんでこの座組で?という疑問を払拭するには至らず。
「絵本太功記 尼崎閑居の場」
橋之助の光秀は線の太い役が似合い、堂々として大きさがある。莟玉の操はしっとり落ち着いた風情。初菊の左近が可愛らしいので、並ぶとちゃんと母と嫁に見える。鶴松の十次郎はちょっと芝居がクサイか。染五郎の久吉はなんか腹に一物ありそう。
「棒しばり」
鷹之資の次郎冠者がキレのある踊り。何より楽しそうに踊っているのがいい。染五郎の太郎冠者は並ぶとやはり見劣りが。橋之助の大名がおおらか。
千秋楽だったので、終演後はカーテンコールを期待する客席の拍手が鳴り止まなかったが、そのまま終わったのは行儀がよろしくて良き。