新幹線の遅れで口上は見られず。解説の終わりごろから。
「新版 御所五郎蔵」
木ノ下裕一が補綴し、滅多にかからない時鳥殺しを含めて再構成。お馴染みの御所五郎蔵と、時鳥と傾城逢州の姉妹の話が錯綜する。
妹の時鳥(壱太郎)は浅間巴之丞の愛妾となるも、後室百合の方にうとまれなぶり殺しにされる。愛之助の百合の方は冷酷な感じで、壱太郎の時鳥が美しくも哀れ。
お馴染み、渡りセリフは長い両花道で颯爽と。土右衛門の中車と並ぶと、愛之助の五郎蔵が格好いいこと!姿勢がいいのでシュッとして見える。一方の中車は化粧がマンガっぽいというか。
五郎蔵の子分に松十郎、翫政、愛三郎ら。
五郎蔵の妻、傾城皐月の笑也が若々しく美しい。
大詰めで、金を工面するために去り状を書いた皐月(笑也)に怒り、皐月の打掛を着ていた逢州を殺してしまう五郎蔵。逢州と並んで歩いていたはずの土右衛門が消えていて、不適な声とともに姿を表すと夜だったのが急に明くなるのがよく分からん。結末も唐突な感じで、皐月が土右衛門の連判状を拾ったことで百合の方らのお家のっとりの企みを知った巴之丞らが駆けつけ、手柄を理由に五郎蔵の追放が許され、時鳥、逢州は念入りに弔うから安心せよって、強引過ぎないか?
「玉藻前立飛錦栄」
玉藻前+道成寺×変化舞踊みたいな感じ。壱太郎が白拍子から花売り、座頭など9役を早替わりで踊り分け、最後は九尾の狐になって宙乗りという大活躍。踊りは上手なので見応えあったけど、玉藻前なら鐘より殺生石では?と思ったり。
立川スカイガーデンは2500席ほどという大箱で、歌舞伎には向かないのでは…。左サイド席だったのだが、舞台の半分は見えず、代替のスクリーンは凝ったカメラワークが逆効果。舞台にせよ、花道にせよ、見えない方を引きで見たいのに半端に寄っている。喋っている人だけでなく、受けの芝居も見たいし。解説で壱太郎がカメラワークに凝っているといっていたが、求めているのはそういうのじゃないのよ。生の舞台を見ているはずなのに、テレビ中継を見ているような物足りなさ。チケットは安かったけど、次は正面席以外はないかな。こんなに舞台が見えなくて、なんの公演に使うのだろう。
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