2024年11月18日月曜日

11月17日 文楽公演 第2部

「靱猿」

藤の猿曳、希の大名、咲寿の太郎冠者、織栄と文字栄がツレ。三味線は清志郎、清丈、錦吾、清允、藤之亮。
違う芝居を寄せ集めたみたいに声の調和が取れてなくて、とても聞き苦しい。藤は楽しそうだが、希は発声が苦しそう。咲寿は高らかに語るのはいいが、タガが外れたみたいだし。狂言と話の筋は同じだが、大名が女で、首がおかめなのは何で?

人形は紋臣の大名、玉誉の太郎冠者、簑二郎の猿曳、玉彦之猿。猿の人形は子どもくらい大きく、ちょこまかとよく動く。最後、全員で舞うときに、いったん後ろに下がって背中を向けたのはどういう演出なのか。身繕いするわけでもなさそう。

「仮名手本忠臣蔵」

山崎街道出合いは碩・寛太郎。
碩の瑞々しさ、寛太郎のキッパリした音が正統派な感じ。

二つ玉は靖・団七に清方の胡弓。
靖は定九郎の悪っぷりがよく、与市兵衛も役に合ってる。

身売りは織・藤蔵。
揚々と語り上げるせいか、おかるが可愛くない気がする。「たっぷりと」の大向こうは違くないか?

勘平腹切りは錣・宗介。
水分多めな感じで情感たっぷり。女房の嘆きは涙に濡れてる。宗介の三味線は堅実だけど、切場なのでもう少し華々しくてもと思った。錣の語りとのバランス?

一力茶屋はオールスターキャスト。由良之助の千歳が流石の風格。力弥の碩も若々しく、おかるの呂勢は艶のある声で聞かせる。平右衛門の織は張り切って、煩いくらい。下手に置かれた白木の演台はこんなに高かったろうか。スポットライトが眩しい。
冒頭は店の入り口で、三味線なしで一力亭主、十太郎、喜多八、弥五郎らのやり取り。室内に入って三味線とともに千歳らが床に。
三味線は前半が燕三、後半が富助。廓の華やかさは燕三に分があるか。

人形は勘十郎の勘平が錣の語りに乗って観客を惹きつける熱演。定九郎の玉勢は大きさがあってよい。一輔のおかるが在所での地味な出立から打って変わって一力ではたおやかで色気がある。由良之助の玉男、玉翔の力弥、簑紫郎の伴内ら適材適所。玉助の平右衛門は太夫の語りと相まってドタドタと煩いくらい。

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