菅原伝授手習鑑の通し。初めてみる段もあって、物語の背景がよく解った。
初段 「大内の段」
大夫と三味線は御簾の裏で、誰が語っているのか分からないのだけれど、某一人だけは分かってしまった。声が元気良すぎ。張りきっているのだろうけど、力みすぎ。
「加茂堤の段」
桜丸を三輪大夫、八重を芳穂大夫、松王丸を津国大夫、梅王丸を始大夫など。
菅丞相が失脚する原因となる、刈谷姫と斎世親王の逢引のシーン。人目もはばからずラブラブの2人が微笑ましいのだが、書置きを残して逃げてしまうってどうよ。悪いのは桜丸ではなくて、軽率な行動をとってしまう親王なのでは。
勇ましく牛車を引いていく八重は、歌舞伎のほうがおかしみがあるかな。
「筆法伝授の段」
口は靖大夫と龍爾。奥は津駒大夫と寛治。
筆法を伝授されるのは自分だとうぬぼれている左中弁希世がおかしい。愛嬌のある三枚目。
源蔵に筆法は伝授するが、勘当は解かないという菅丞相。腕を認めているなら、許してあげようよ。2人は深く反省しているのだし。
「築地の段」
睦大夫と清志郎。
流罪を言い渡され、自邸で謹慎する菅丞相。梅王丸が塀越しに菅秀才を源蔵夫婦に託すのだが、菅丞相の了承は得ているのだろうか?
二段目
「杖折檻の段」
呂勢大夫と清介。
刈谷姫の可憐さ(まあ、この人の軽率さのせいで、養父の菅丞相は大ピンチなわけだが)。立田前と覚寿という3人の女を語りわけるのは難しそうだ。
呂勢大夫の美声、もっと聞いていたいような。
「東天紅の段」
咲甫大夫と宗助。
夜明け前に鶏を鳴かせて時間を欺き、菅丞相を暗殺しようとする宿彌太郎。立田前に見つかり止められるが、切り捨ててしまう。えっと…妻をそんなにあっさり殺しちゃいますか。しかも、鶏を泣かせるために利用されてしまうなんて、かわいそうすぎ。
「丞相名残の段」
咲大夫と燕三。
歌舞伎でもよく見る段だが、仁左衛門の菅丞相が流す涙に比べると、あっさりした印象。
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