2014年4月22日火曜日

4月5日 開場三十周年記念文楽公演 第2部

菅原伝授手習鑑三段目

「車曳の段」
松王丸を英大夫、梅王丸を津駒大夫、桜丸を呂勢大夫、時平を松香大夫。三味線は清治。総勢5人の大夫が語るのだが、舞台に出ている見台は4つ。途中で太夫がいれ変わるのは初めて見た。
梅王と桜丸が息を合わせて語るのが、2人力を合わせて時平に対抗しようとしている風情でいい。
歌舞伎ではよく見る場面だが、人形の見得のほうがダイナミックかな。最後に出てくる時平のおどろおどろしさは歌舞伎のほうが迫力を感じたかも。

「茶筅酒の段」
千歳太夫と團七。
茶筅酒って何かと思ったら、祝いの餅に茶筅で酒を塗ることなのね。
女房3人が集結して、祝いの膳を用意するのだが、八重は家事が苦手なのね。すり鉢を倒したり、大根を上手く切れずに手を怪我したり。笑いの場面なのだが、この後の悲劇を思うと切ない。

「喧嘩の段」
咲甫太夫と喜一郎。
松王と梅王が大げんか。取っ組み合った松王が客席にお尻を向けた状態に。人形のこんな姿初めて見た。

「訴訟の段」
文字久大夫と藤蔵。
父、白太夫に勘当を願う松王丸。理由がよく解らない。親や兄弟に類が及ぶのを防ぐため?

「桜丸切腹の段」
住太夫と錦糸。引退興行だけあって、客席の拍手もひときわ大きい。人形も桜丸の蓑助と八重の文雀が華を添える。
私としては、悪いのは桜丸より、ばっくれて行方知れずになってしまった斎世親王だと思うので、、なんで切腹という気持ちなのだが、物語に引き込む力はさすが。
白太夫の「なんまいだ」はい伊賀越道中双六とかぶる気もしたが、泣かせる。

「天拝山の段」
英太夫と清友。
菅丞相が髪を振り乱したり、顔変わりしたり、火を噴いたり。こんなに激しい人だったっけというくらいの大活躍。

「寺入りの段」
芳穂太夫と清旭。
涎くりは15歳だったとは。このおかしみは歌舞伎のほうがあるかな。
小太郎は菅秀才の身代わりに殺されることを知っていたのか、知らなかったのか。千代が「悪あがきせまいぞ」というのはいい含めているようにも思えるが、立ち去る千代に「わしも行きたい」とすがりつくのは知らなかったようにも。

「寺子屋の段」
嶋太夫と富助。
悲劇の嶋大夫は泣かせる。見台にすがりつくように語る迫力たるや。

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