2026年9月13日日曜日

9月13日 秀山祭九月大歌舞伎 夜の部

「雛鶴三番叟」 魁春、雀右衛門、萬寿の女方3人の華やかな舞。魁春は首が前に出て姿勢の悪さが気になるが、さすがベテラン。萬寿の踊りがうまく見えた。 「沼津」 仁左衛門の十兵衛の若々しく、颯爽としていることに驚嘆。平作の歌六とは年齢が逆転しているのだが、全くそうと感じさせない。平作に歳をきいて70を超えたと言うと、「わしより年下かと思った」とか、お米と本当の親子かと尋ねて「本物の親子でございます」と答えるなど、現実との倒錯にジワっと笑ったり。客席降りもたっぷりとあり、間近を通る楽しさ。後半は怒涛の展開で息つく間もないほど、感動の渦に巻き込まれる。平作宅で、お米(孝太郎)に夫がいると知って気まずくなるくだりの居心地の悪さがなんとも。不美人に言い寄られて困ってるみたいに見えてしまった… 孝太郎の次男が、冒頭の旅夫婦の息子役で初お目見え(公式なアナウンスはないが)。茶屋で腰掛けて団子を食べ、旅路に戻るだけだが、毎回出演とは限らないらしい。引っ込むところで景色を眺める体で客席の方を向かせて顔を見せていた。 「京人形」 時蔵の京人形の変わり身の鮮やかさ。魂の入っていない時は無骨でガニ股ぎみですらあるのに、鏡を懐に入れた途端、はんなりと柔らかくなる。松緑の左甚五郎との息もあって、舞踊の楽しさを堪能。女房おとくは新吾。いい妻だが、甚五郎は勝手すぎないか? 「一条大蔵譚」 染五郎の大蔵卿は浅草歌舞伎ならともかく、歌舞伎座の大歌舞伎としてはまだ厳しいと言わざるを得ない。化粧のせいか何でだか分からないが、少年のような顔で、大蔵卿の風格がない。作り阿呆は幼児のよう。長刀を振り回すところで欄干にぶつけたりと、立ち回りにも課題あり。 常盤御前の雀右衛門、鬼次郎の歌昇、お京の種之助はそれぞれ役に合っていた。幸四郎の勘解由は上置きのつもりなのだろうか。あまり役に会っていないように思った。

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