ファブリス・ブルジョワ版はフランスの香りがするとか、パリ・オペラ座バレエ団の高い技術、上演は日本では最後などの宣伝文句につられたが、残念ながら期待はずれ。バレエ学校の生徒向けかというくらいあっさりした振付(京都バレエ団向けにアレンジしたせいかもしれないが)で、踊りの見どころは少なかったし、衣装や舞台装置もフランスのエスプリは感じられなかった。冒頭のパーティーの場面はともかく、雪の踊りや花のワルツがチュチュでないのはバレエ作品として物足りない。幕の初めと終わりにナレーションが入ってあらすじを入れるのは大人には余計だし、子ども向けならばもっと観客に語りかけるような感じにするといいと思う。
クララの北野優香は楚々とした雰囲気。あまり踊りの見せ場がなく、印象が薄い。くるみ割り人形・王子の鷲尾佳凛殿パドドゥはリフトが不安定で、何度かバランスを崩してヒヤリとした。鷲尾はソロはのびのびとしてよく、2幕では高いジャンプやキレのある回転で引きつけたが、ちょっと短いか。役名にくるみ割り人形とあるし、ナレーションでも「くるみ割り人形が王子に変わった」と言っていたが、人形はずっと本棚に置かれたままで、変身は描かれなかったのだが…。ねずみ王はダンサーの頭の上にねずみの頭がのる形で首長の別の動物のように見える(ちょっと不気味)。トータルで2時間余という上演時間がせめてもの慰め。
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