「寿曽我対面」
顔見世かつ襲名披露興行らしい、華やかな舞台で、梅玉の工藤祐経が要所を締める。扇雀の大磯の虎と並ぶと莟玉の化粧坂少将がひときわ華奢で可憐に見える。愛之助の五郎は手慣れたものだが、もっと漲る力がほしい。孝太郎の十郎の柔らかさ。
梶原平三に松之助。終始うつむいて小さく震えているのが気がかりだが、声はしっかりでている。
鬼王を菊若丸に変えて菊之助が出演。キビキビとした動きが若武者らしく、清々しい。
口上は13人がずらりと並び、最近見ないくらいに豪華。仁左衛門は「音羽屋にとってはもちろん、歌舞伎界にとっても大事な名跡」というところ、「歌舞伎界にとってはもちろん…」と言い出して一瞬言い淀んだが「音羽屋さんにとっては尚のこと大事な…」と続けて事なきを得た。進之介が珍しく口上に列座し、梅幸時代の菊五郎劇団に招かれた縁から、「目に入れても痛くないくらい可愛がっていた八代目をよろしく」とまとめた。亡くなった我當の代わりと言って。七之助は親戚であることには触れず、ナウシカやマハーバーラタで共演したことを述たのは何か含むところがあるのか。勘九郎は親戚に加え、学校の後輩、長十郎が菊之助と同級生でパパ友でもあると紹介して笑いを誘った。
「弁天娘女男白浪」
菊五郎の弁天に、勘九郎の南郷が珍しい組み合わせ。写りの良い2人なので、もっと共演してほしい。菊五郎の弁天は手慣れでいつも通りだが、緋鹿子を仕込むところで店の品の奥の方に押し込んでから引き出すのはこれまでなかったような。橘太郎の番頭に、千次郎が手代役で加わっているのが嬉しい。巳之助が鳶頭で、いなせな江戸の男振り。鷹之資の浜松屋倅、歌六の浜松屋主人、幸四郎の日本駄右衛門。
稲瀬川では愛之助の忠信、七之助の赤星が加わり、同世代の五人男が並ぶ。幸四郎は日本駄右衛門にしては線が細く、愛之助と代わった方がいいのではと思った。
「三人形」
巳之助の奴、隼人の若衆、壱太郎の傾城。
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