「増補忠臣蔵」
忠臣蔵、加古川本蔵の後日談というか、刃傷事件と山科閑居の段の間の話。
高師直に賄賂を渡した本蔵を非難する若狭之助。結果として、家の大事を守った忠臣ではあるが、当時の価値観からすると卑怯ものでもあるわけで。そこいらへんのもやもやを説明してくれて、山科閑居に至るまでのいきさつがわかりやすくなった。
前を千歳大夫と団七、奥を津駒大夫と寛治。
「恋女房染分手綱」
住大夫の引退狂言。沓掛村の段の前を文字久大夫と藤蔵、切を住大夫と錦糸。
地味な話ではあるのだが、子供、老婆、武士の語り分けなど、聞かせどころがたっぷり。住大夫は声の力強さはなかったが、情のある語りで泣かせる。この語りがもう聞かれなくなるのは寂しいけれど、ここを引き際と定めた気持ちも察せられる。この芸をぜひ引き継いでほしい。
「三十三間堂棟由来」
中を睦大夫と清志郎、切を嶋大夫と富助。
柳の精が出てくる、幻想的なおとぎ話。文楽らしい演出もあって、面白い。
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