いのうえ歌舞伎と銘打っていて、つけ打ちのような効果音が入ったりしていたが、歌あり踊りありのミュージカル。上演時間が休憩はさんで4時間近いというところは歌舞伎っぽいか。
主演の天海祐希は前半の巫女姿よりも、後半、反乱軍のリーダーとなって戦う姿がりりしく、格好いい。
松山ケンイチは舞台では初見だが、立ち回りも様になっていたし、悪くない。けど、映像のほうがいいかなあ。気持ちばかり先回りしてしまう、ちょっとおバカな役柄のせいかもしれないけど。
早乙女太一の立ち回りは、舞うように華麗で美しい。舞台映えのする役者さんだなあ。
平幹二郎は流石の存在感。舞台に上がるだけで圧倒される。
劇団新感線をナマで見るのは初めてだったけど、古典芸能に親しんでいる身にはちょっとうるさい。脇役陣のお決まりっぽいギャグとかかしましさとか、少しうんざりした。
2014年5月26日月曜日
5月11日 文楽五月公演 第2部
「女殺油地獄」
徳庵堤の段。与平衛の松香大夫、お吉の三輪大夫をはじめ、8人の大夫が入れ替わり立ち替わり。
河内屋内の段は口が芳穂大夫と寛太郎、奥を呂勢大夫と清治。
豊島屋油店の段を咲大夫と燕三。
与平衛を演じる役者によって、若者の狂気が際立つ歌舞伎とはまた違って、文楽は物語の不条理さをより感じる。殺しの場面は意外とあっさり。
「鳴響安宅新関」
勧進帳の文楽版。山伏問答のくだりなど、文字情報でも見られる分、わかりやすかった。富樫と弁慶の息詰まる緊張感は、生身の役者同士のほうが迫力があるかな。最後の飛び六法も。
徳庵堤の段。与平衛の松香大夫、お吉の三輪大夫をはじめ、8人の大夫が入れ替わり立ち替わり。
河内屋内の段は口が芳穂大夫と寛太郎、奥を呂勢大夫と清治。
豊島屋油店の段を咲大夫と燕三。
与平衛を演じる役者によって、若者の狂気が際立つ歌舞伎とはまた違って、文楽は物語の不条理さをより感じる。殺しの場面は意外とあっさり。
「鳴響安宅新関」
勧進帳の文楽版。山伏問答のくだりなど、文字情報でも見られる分、わかりやすかった。富樫と弁慶の息詰まる緊張感は、生身の役者同士のほうが迫力があるかな。最後の飛び六法も。
5月11日 文楽五月公演 第1部
「増補忠臣蔵」
忠臣蔵、加古川本蔵の後日談というか、刃傷事件と山科閑居の段の間の話。
高師直に賄賂を渡した本蔵を非難する若狭之助。結果として、家の大事を守った忠臣ではあるが、当時の価値観からすると卑怯ものでもあるわけで。そこいらへんのもやもやを説明してくれて、山科閑居に至るまでのいきさつがわかりやすくなった。
前を千歳大夫と団七、奥を津駒大夫と寛治。
「恋女房染分手綱」
住大夫の引退狂言。沓掛村の段の前を文字久大夫と藤蔵、切を住大夫と錦糸。
地味な話ではあるのだが、子供、老婆、武士の語り分けなど、聞かせどころがたっぷり。住大夫は声の力強さはなかったが、情のある語りで泣かせる。この語りがもう聞かれなくなるのは寂しいけれど、ここを引き際と定めた気持ちも察せられる。この芸をぜひ引き継いでほしい。
「三十三間堂棟由来」
中を睦大夫と清志郎、切を嶋大夫と富助。
柳の精が出てくる、幻想的なおとぎ話。文楽らしい演出もあって、面白い。
忠臣蔵、加古川本蔵の後日談というか、刃傷事件と山科閑居の段の間の話。
高師直に賄賂を渡した本蔵を非難する若狭之助。結果として、家の大事を守った忠臣ではあるが、当時の価値観からすると卑怯ものでもあるわけで。そこいらへんのもやもやを説明してくれて、山科閑居に至るまでのいきさつがわかりやすくなった。
前を千歳大夫と団七、奥を津駒大夫と寛治。
「恋女房染分手綱」
住大夫の引退狂言。沓掛村の段の前を文字久大夫と藤蔵、切を住大夫と錦糸。
地味な話ではあるのだが、子供、老婆、武士の語り分けなど、聞かせどころがたっぷり。住大夫は声の力強さはなかったが、情のある語りで泣かせる。この語りがもう聞かれなくなるのは寂しいけれど、ここを引き際と定めた気持ちも察せられる。この芸をぜひ引き継いでほしい。
「三十三間堂棟由来」
中を睦大夫と清志郎、切を嶋大夫と富助。
柳の精が出てくる、幻想的なおとぎ話。文楽らしい演出もあって、面白い。
2014年5月11日日曜日
5月10日 酒と涙とジキルとハイド
三谷幸喜、久しぶりの本格コメディとの触れ込みで、大いに笑った。
愛之助演じるジキル博士は、堅物で真面目なんだが、姑息。補助金のために実験が成功したと装うなど、ある研究所の騒動を彷彿とさせる、その件に触れることはないのはちょっと拍子抜け。コメディ俳優としての愛之助は、間が今ひとつ。わざと外しているのかもしれないが、イブが忘れていった本を見たくてウロウロするところとか、もっと溜めたほうが面白いのにな〜と思うところが度々あった。スピーチの練習のくだりなど、滑舌よくしゃべっているのだが、内容が全く頭に入ってこないのは、セリフがいいのか、演技力なのか。
反対に、優香の堂々たるコメディエンヌぶりには驚いた。声もよく出ていたし、セリフの間もよかった。2つの人格の演じ分けも達者。主役はジキル博士ではなく、イブなのではないかと思うほど。
藤井隆は期待どおりの面白さ。飛んだり走ったりと動き回って、一番汗をかいていた。
プール役の迫田孝也。これまであまり意識したことのなかった役者さんだが、狂言回しというか、物語の進行役としていい味出してた。
<5>5>
2階席から俯瞰で見たせいか、全体が見渡せて、面白かった。次に何が来るか分かっているのに、すごく笑った。前回気になった、愛之助の間も、違和感なく。
カーテンコールの最後に、一人ひとりが一言ずつ。愛之助が「いつか再演を」と言っていたけど、どうだか。どうせなら、別の物語を観たいなあ。
愛之助演じるジキル博士は、堅物で真面目なんだが、姑息。補助金のために実験が成功したと装うなど、ある研究所の騒動を彷彿とさせる、その件に触れることはないのはちょっと拍子抜け。コメディ俳優としての愛之助は、間が今ひとつ。わざと外しているのかもしれないが、イブが忘れていった本を見たくてウロウロするところとか、もっと溜めたほうが面白いのにな〜と思うところが度々あった。スピーチの練習のくだりなど、滑舌よくしゃべっているのだが、内容が全く頭に入ってこないのは、セリフがいいのか、演技力なのか。
反対に、優香の堂々たるコメディエンヌぶりには驚いた。声もよく出ていたし、セリフの間もよかった。2つの人格の演じ分けも達者。主役はジキル博士ではなく、イブなのではないかと思うほど。
藤井隆は期待どおりの面白さ。飛んだり走ったりと動き回って、一番汗をかいていた。
プール役の迫田孝也。これまであまり意識したことのなかった役者さんだが、狂言回しというか、物語の進行役としていい味出してた。
<5>5>
2階席から俯瞰で見たせいか、全体が見渡せて、面白かった。次に何が来るか分かっているのに、すごく笑った。前回気になった、愛之助の間も、違和感なく。
カーテンコールの最後に、一人ひとりが一言ずつ。愛之助が「いつか再演を」と言っていたけど、どうだか。どうせなら、別の物語を観たいなあ。
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