「日高川入相花王」
清姫に咲甫太夫、船頭に始大夫。始大夫の声は太くて迫力があって、清姫との対比がはっきりしていて面白い。
清姫の人形が、河を渡りたいあまりに蛇に化身してしまうところが鮮やか。人形を上下に動かすので体力的には大変そうだ。
「絵本太閤記」
前段を呂勢太夫。声がきれいなので、初菊のかわいらしさ、いじらしさが際立つ。けど、十次郎、「討ち死にするから祝言を挙げていなくってよかった」とか言いながら、結局杯かわしてんじゃん。
後段は英大夫。人形も立ち回りが多くて、盛り上がる場面。
フランス人と思しき団体客が前の席にいたのだが、大夫が声色を使うのが面白いらしく、くすくす笑うのが気になった。シリアスな場面なのに…。イヤホンガイドはしていなかったようなので、話の展開分かってたのかな?日本語が分かる人でも、結構込み入った筋だと思うのだが。
2013年6月9日日曜日
パリ・オペラ座ライブビューイング「ドン・キホーテ」
バジルがカール・パケットというので鑑賞したのだが、この人、別に悪いところはないのに、「すごい」と思わせないのはなぜなのだろう。キトリをリフトするときに、一発で決まらなかったりはしたが、ジャンプも回転もきちんと決めていたのに。女ったらしの演技は、これまで見たバジルとは違って、ちょっと柔らかい雰囲気。金髪のバジルってちょっとイメージと違うのだけど、「オペラ座」のスタイルなのかな。
キトリのドロテ・ジルベールは美しく、キリっとした踊り。バランスでぐらぐらする場面などもあったけど、観ていて気持ちのいい踊り。
開演前や幕間のダンサーの様子が見られたのは、興味深かった。
キトリのドロテ・ジルベールは美しく、キリっとした踊り。バランスでぐらぐらする場面などもあったけど、観ていて気持ちのいい踊り。
開演前や幕間のダンサーの様子が見られたのは、興味深かった。
6月1日 パリ・オペラ座バレエ団「天井桟敷の人々」
ガランスのアニエス・ルテステュが圧倒的な美しさ。
男性の主役はバチスト(ステファン・ビュリオン)のはずなのに、あまり見せ場がなく、ルメートル役のカール・パケットのほうが存在感があった。幕間には、ホールのロビーで「オテロ」も演ってたので、間近で美しい姿を堪能。でも、バレエのテクニックなどで魅せるという感じではなく、美しい以上のものを感じられなかったのがちと残念。「白鳥の湖」のロットバルトのあの怪しい魅力のようなものを期待していたのだけれど。
宿屋の女主人(エルミーヌ夫人?)の演技がよかった。バレエの公演で、女性が道化的な役をするのって珍しいように思うのだけれど、存在感があった。
舞台装置や衣装がすばらしく、物語の世界観を作りだしていた。
男性の主役はバチスト(ステファン・ビュリオン)のはずなのに、あまり見せ場がなく、ルメートル役のカール・パケットのほうが存在感があった。幕間には、ホールのロビーで「オテロ」も演ってたので、間近で美しい姿を堪能。でも、バレエのテクニックなどで魅せるという感じではなく、美しい以上のものを感じられなかったのがちと残念。「白鳥の湖」のロットバルトのあの怪しい魅力のようなものを期待していたのだけれど。
宿屋の女主人(エルミーヌ夫人?)の演技がよかった。バレエの公演で、女性が道化的な役をするのって珍しいように思うのだけれど、存在感があった。
舞台装置や衣装がすばらしく、物語の世界観を作りだしていた。
4月27日 文楽4月公演第1部
「伽羅先代萩」
政岡忠義の段を語った呂勢太夫が素晴らしかった。千松の亡骸を抱えて悲しみにむせぶところなど、胸に迫る。
御殿の段、飯炊きのシーンは、歌舞伎でも冗長でしんどいのだが、文楽はなおさら、という気がする。
床下の段、節之助(歌舞伎と名前が違うのはなぜ?)の大立ち回りがダイナミックで面白い。
「新版歌祭文」
源太夫の代役にたった英大夫がよかった。
住太夫の語りはやはり凄い。
「釣女」
陽気で楽しい演目。でも、醜女もなんか可愛いよね。
政岡忠義の段を語った呂勢太夫が素晴らしかった。千松の亡骸を抱えて悲しみにむせぶところなど、胸に迫る。
御殿の段、飯炊きのシーンは、歌舞伎でも冗長でしんどいのだが、文楽はなおさら、という気がする。
床下の段、節之助(歌舞伎と名前が違うのはなぜ?)の大立ち回りがダイナミックで面白い。
「新版歌祭文」
源太夫の代役にたった英大夫がよかった。
住太夫の語りはやはり凄い。
「釣女」
陽気で楽しい演目。でも、醜女もなんか可愛いよね。
4 月7日 文楽公演「心中天網島」
順番が前後して、記憶もおぼろげだけど、記録として。
まあ、なんというか、おさんのできた女房っぷりが怖いほど。治兵衛ってのはつくづくしょうもない男で、おさんが愛想をつかさないのが不思議だ。若い小春はともかく、おさんみたいにできた女なら、さっさと見切りをつけてしまえばいいのに…。と思ってしまうので、何とももやもやする。
大和屋の段を語った咲太夫がよかった。
まあ、なんというか、おさんのできた女房っぷりが怖いほど。治兵衛ってのはつくづくしょうもない男で、おさんが愛想をつかさないのが不思議だ。若い小春はともかく、おさんみたいにできた女なら、さっさと見切りをつけてしまえばいいのに…。と思ってしまうので、何とももやもやする。
大和屋の段を語った咲太夫がよかった。
5月26日 歌舞伎座杮葺落五月大歌舞伎 第二部
「伽羅先代萩」
藤十郎の政岡に梅玉の八汐、時蔵の沖の伊、秀太郎の栄御前…と文句のない配役。杮落しならではの豪華な役者たちが集まって、これぞという舞台だった。
思いがけず、腰元に芝のぶの姿が。相変わらず、楚々としてかわいらしい。
先日、文楽版を観た(聴いた)ばかりなのだが、子役は歌舞伎のほうがいいように思った。「お腹がすいてもひもじうない」などのセリフは、歌舞伎の子役の、あの調子で言ったほうが、より哀れさが際立つというか。(しわがれ声の男性の声よりもね)
床下は幸四郎の仁木弾正に吉右衛門の男之介。兄弟顔合わせで、これまた豪華。短いシーンなのに、見ごたえたっぷり。
「廓文章」
仁左衛門の伊左衛門に玉三郎の夕霧とあれば、観ないわけにはいかないでしょう。
…と思ったのだが、期待値が高すぎたのか、思ったほどの感動はなかったのが不思議だ。伊左衛門のはんなりとしたかわいらしさ、夕霧のぽーっとした美しさ。まあ、非現実的な話ではあるのだが、それに浸るのが観劇の楽しさなのに、いまいち浸りきれなかった。
女房おきさの秀太郎、喜左衛門の弥十郎は安定感があって、芝居を盛り上げる。千之助が太鼓持で共演。仁左衛門ともども、嬉しそうな様子が微笑ましかった。
藤十郎の政岡に梅玉の八汐、時蔵の沖の伊、秀太郎の栄御前…と文句のない配役。杮落しならではの豪華な役者たちが集まって、これぞという舞台だった。
思いがけず、腰元に芝のぶの姿が。相変わらず、楚々としてかわいらしい。
先日、文楽版を観た(聴いた)ばかりなのだが、子役は歌舞伎のほうがいいように思った。「お腹がすいてもひもじうない」などのセリフは、歌舞伎の子役の、あの調子で言ったほうが、より哀れさが際立つというか。(しわがれ声の男性の声よりもね)
床下は幸四郎の仁木弾正に吉右衛門の男之介。兄弟顔合わせで、これまた豪華。短いシーンなのに、見ごたえたっぷり。
「廓文章」
仁左衛門の伊左衛門に玉三郎の夕霧とあれば、観ないわけにはいかないでしょう。
…と思ったのだが、期待値が高すぎたのか、思ったほどの感動はなかったのが不思議だ。伊左衛門のはんなりとしたかわいらしさ、夕霧のぽーっとした美しさ。まあ、非現実的な話ではあるのだが、それに浸るのが観劇の楽しさなのに、いまいち浸りきれなかった。
女房おきさの秀太郎、喜左衛門の弥十郎は安定感があって、芝居を盛り上げる。千之助が太鼓持で共演。仁左衛門ともども、嬉しそうな様子が微笑ましかった。
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