高畑淳子が素晴らしい!もちろん、T・ウィリアムスの脚本が素晴らしいのだが、3時間超(!!)の舞台で一度も、気がそがれたり、つまらないと感じる瞬間がなかった。ブランチ役は女優としては一度は演じてみたい役なのだろうけど、決して役に負けてなかったと思う。カーテンコールで出てきた時、感極まった顔を見て、もらい泣きしそうになった。
ステラの神野三鈴、ミッチの小林正寛も、役柄に合っていて、よかった。ちょっと物足りなく感じたのが、スタンレーの宅間孝之。スタンレーの割に何だか常識的なことを言っているように見えてしまい、もっとワイルドというか、パワーを感じさせる人がよかったな。
小曽根真の生ピアノもよかった。場面転換のたびに、短い演奏が挟まって。時間が長くなったのは、このせいかもしれないけど。
2011年12月18日日曜日
2011年12月17日土曜日
12月17日 木下歌舞伎「夏祭浪花鑑」
歌舞伎をアレンジしているというので、「夏祭」がどんな風に翻案されるのか興味津々。女性が男役を演じるというので、宝塚みたいなのかと思ったら、全然違った。
役者は7人で、うち男1人。一人何役もやってた。衣装は変形の甚平みたいなののまま、登場時に名前を書いた紙を掲げたり、名札を下げることで対応してた。まあ、登場人物が多いので、こうでもしないと誰が誰やらわからなくなっちゃうのだろう。着替え等に時間がかからず、話の流れが途切れないのはよかった。
女性が素顔のまま三婦や団七を演るのだが、思ったより違和感がない。台詞は歌舞伎風に喋るところが多くあって、なかなか上手く真似してるなあと驚いた。歌舞伎のパロディという感じだ。ただ、女性の声のせいか、叫ぶような台詞はちょっと耳障りに感じた。殺しの場面とか。
役者のプロフィールによると、ダンサーが多く、そのせいか、所々、バレエ風の振りが。団七が走るのにバットマンって…。殺しのBGMに白鳥の湖も大袈裟すぎだし、合ってない。いっそ、もうバレエにしちゃったほうが、それなりに見られるのかも。まあ、ベジャールの「KABUKI」みたいのもあるけど。本水の代わりに、黒衣に飲み込まれていく演出は面白かった。
ツケは効果的に使ってた。見栄のようなことをしていたのだか、歌舞伎役者のようには決まらないところ、ツケ打ちが入ると、ピッと締まるのだ。
全体として、チープで、客席との距離感の近さなど、学園祭のよう。これが好きな人にはたまらないのかもしれないが、私は戸惑った。会場に入るとき、お祭り騒ぎの舞台の上を通らないと客席に行かれないしかけなのだが、いきなりすぎて、ノリについていけない。(というか、付き合いたくない)
舞台は横一本の花道みたいで、後ろの低くなっているところで、小道具を出したり、役者が扮装を変えたり。文楽の舞台裏のような感じ?
役者は7人で、うち男1人。一人何役もやってた。衣装は変形の甚平みたいなののまま、登場時に名前を書いた紙を掲げたり、名札を下げることで対応してた。まあ、登場人物が多いので、こうでもしないと誰が誰やらわからなくなっちゃうのだろう。着替え等に時間がかからず、話の流れが途切れないのはよかった。
女性が素顔のまま三婦や団七を演るのだが、思ったより違和感がない。台詞は歌舞伎風に喋るところが多くあって、なかなか上手く真似してるなあと驚いた。歌舞伎のパロディという感じだ。ただ、女性の声のせいか、叫ぶような台詞はちょっと耳障りに感じた。殺しの場面とか。
役者のプロフィールによると、ダンサーが多く、そのせいか、所々、バレエ風の振りが。団七が走るのにバットマンって…。殺しのBGMに白鳥の湖も大袈裟すぎだし、合ってない。いっそ、もうバレエにしちゃったほうが、それなりに見られるのかも。まあ、ベジャールの「KABUKI」みたいのもあるけど。本水の代わりに、黒衣に飲み込まれていく演出は面白かった。
ツケは効果的に使ってた。見栄のようなことをしていたのだか、歌舞伎役者のようには決まらないところ、ツケ打ちが入ると、ピッと締まるのだ。
全体として、チープで、客席との距離感の近さなど、学園祭のよう。これが好きな人にはたまらないのかもしれないが、私は戸惑った。会場に入るとき、お祭り騒ぎの舞台の上を通らないと客席に行かれないしかけなのだが、いきなりすぎて、ノリについていけない。(というか、付き合いたくない)
舞台は横一本の花道みたいで、後ろの低くなっているところで、小道具を出したり、役者が扮装を変えたり。文楽の舞台裏のような感じ?
2011年12月12日月曜日
12月10日 音楽舞踏劇 ピアフ
ピアフなのに、1幕は歌なし。なんで?
ジャン・コクトーが語り部となって、ピアフの幼少期から最初の結婚(?)、出産、浮気、子どもの死…、歌手としてデビューする前なのかなあ。でも、ピアフって子どものころから歌ってたんじゃないの?というか、あまり知られていない、歌手ピアフになる前の話でこんなに長い時間使うのってどうなの?しかも、それで、ピアフの人となりが伝わってこないという…。コクトーのセリフで「これでピアフがわかったでしょう?」とうようなの(正確には忘れたけど)があったけど、思わず「全然…」とつぶやいてしまったよ。愛されたくて、たくさんの男と関係をもったというようなことらしいのだが、やむにやまれない様子とか、切実さが感じられなくて、ただ、ふわふわと漂っているよう。子どもを亡くした悲しみみたいなものも軽かったようだし。
不安の中、迎えた2幕は、予想を裏切って悪くなかった。安寿ミラの歌は素敵だったし、マルセル役の藤野暢央のダンスもよかった。ボクシングの試合の様子を踊りで表現していたのが、斬新で、でも迫力があって。
途中、マレーネ・デートリッヒが登場したのだが、ストーリーの上で必要?2人の関係がほとんど描かれてなかったので、ちょっと意味不明に。いや、マルセルが死んで悲嘆にくれるピアフを慰めるシーンとかはあったけど、別にマレーネと紹介しなくても成り立つように思ったので。というか、マレーネらしさが感じられなかったのだよ。
ただ、愛の賛歌がなかったのは不満。べただけど、ピアフと言えばこの歌は外せないでしょう?
全体として、踊りは見ごたえがあったけど、ストーリーとしてみると不満が残った。ピアフの歌の部分や、大成してからの苦悩みたいなものが十分に描かれていると思えなかったから。
安寿ミラの踊りは、ちょっとガニ股気味なのが気になった。最初のほうは、子どもらしさを出すためにわざとやっているかと思ったのだが、最後までこの調子。男役の名残?
ジャン・コクトーが語り部となって、ピアフの幼少期から最初の結婚(?)、出産、浮気、子どもの死…、歌手としてデビューする前なのかなあ。でも、ピアフって子どものころから歌ってたんじゃないの?というか、あまり知られていない、歌手ピアフになる前の話でこんなに長い時間使うのってどうなの?しかも、それで、ピアフの人となりが伝わってこないという…。コクトーのセリフで「これでピアフがわかったでしょう?」とうようなの(正確には忘れたけど)があったけど、思わず「全然…」とつぶやいてしまったよ。愛されたくて、たくさんの男と関係をもったというようなことらしいのだが、やむにやまれない様子とか、切実さが感じられなくて、ただ、ふわふわと漂っているよう。子どもを亡くした悲しみみたいなものも軽かったようだし。
不安の中、迎えた2幕は、予想を裏切って悪くなかった。安寿ミラの歌は素敵だったし、マルセル役の藤野暢央のダンスもよかった。ボクシングの試合の様子を踊りで表現していたのが、斬新で、でも迫力があって。
途中、マレーネ・デートリッヒが登場したのだが、ストーリーの上で必要?2人の関係がほとんど描かれてなかったので、ちょっと意味不明に。いや、マルセルが死んで悲嘆にくれるピアフを慰めるシーンとかはあったけど、別にマレーネと紹介しなくても成り立つように思ったので。というか、マレーネらしさが感じられなかったのだよ。
ただ、愛の賛歌がなかったのは不満。べただけど、ピアフと言えばこの歌は外せないでしょう?
全体として、踊りは見ごたえがあったけど、ストーリーとしてみると不満が残った。ピアフの歌の部分や、大成してからの苦悩みたいなものが十分に描かれていると思えなかったから。
安寿ミラの踊りは、ちょっとガニ股気味なのが気になった。最初のほうは、子どもらしさを出すためにわざとやっているかと思ったのだが、最後までこの調子。男役の名残?
2011年12月10日土曜日
12月10日 ザ・ロッキー・ホラーショー
古田新太がすごかった。出てくるだけで舞台を引っ張り、約2時間があっという間。オカマ風のしゃべり方や、歌も躍りもうまくて驚いた。高いヒール履いてあれだけ動けるとは。けど、ボンデージはもっと痩せた人のほうが似合うと思う。動いているうちにボディがずり落ちて、乳首丸出しになってるし…(´Д`)足(特に膝下)が予想外に細くてキレイだったので、不快感は緩和されたけど。
岡本健一、ローリーは悪くはなかったが、特に驚きはなかったかな。二人ともにギターソロがあるのはオリジナルの演出なのかな。
マジェンダ役のグリフィス・ちか(なんて名前だ!と思ったら本名らしい。旦那様が外国の人なのね)が歌、演技とも魅せる。開演前に客席で売り子をしていて、「盛り上げるのうまいなぁ…」と思っていたらキャストでした( ̄□ ̄;)!!いきなりソロで歌いだしたからびっくりしたよ。
岡本健一、ローリーは悪くはなかったが、特に驚きはなかったかな。二人ともにギターソロがあるのはオリジナルの演出なのかな。
マジェンダ役のグリフィス・ちか(なんて名前だ!と思ったら本名らしい。旦那様が外国の人なのね)が歌、演技とも魅せる。開演前に客席で売り子をしていて、「盛り上げるのうまいなぁ…」と思っていたらキャストでした( ̄□ ̄;)!!いきなりソロで歌いだしたからびっくりしたよ。
2011年12月4日日曜日
12月3日 平成中村座十二月大歌舞伎 夜の部
「芦屋道満大内鑑 葛の葉」
扇雀の葛の葉。女房のほうはいいのだが、姫があんまり姫っぽくないような…。なんか、年増っぽくて、姫のかわいらしさがいまいち。狐ぶりもなんだかなあ…。狐って、もっとしなやかで動きが軽やかだと思うのだけど。最後、狐の姿ですっぽんから現れたとき、花の下に▼の赤い印があって、一瞬鼻血かと思ってびっくりした。狐の象徴?なんか合ってない感じがするんだけど。
松也の保名は美し。姿を消した葛の葉を思って泣き崩れるところなど、すごく引き付けられた。女形もいいけど、こういう優男の二枚目もいいな。十種香の勝頼なんかも似合いそうだ。
「積恋雪関扉」
勘太郎の関守、菊之助の墨染、七之助の小野小町姫。踊り上手の3人なので、舞踊劇だけど最後まで飽きずに見られた。ちょうど七三の花道横の席だったので、ほぼ真上を見上げるような形で目のやり場に困ったよ。何度か役者さんと目が合った気がするけど、目をそらすのも変だし。足を踏みならしたり、道具を振り回したりすると、ちょっと怖かった。
関守はほぼ出ずっぱりで踊りっぱなしだったのに比べ、墨染の出番が少なく、少し物足りなく感じたかも。菊之助の踊りをもっと見たかったなあ。
「松浦の太鼓」
勘三郎の松浦鎮信は、筋書きにもあったように「機嫌のいいお殿様」。我が儘放題なのがかわいらしい。ときどきセリフがもたつくようなところがあったのは、病気の後遺症なのかな。ちょっと心配。
菊之助が立ち役の大高源吾。姿はすっきりして美しいし、声も凛としていいのだけど、やっぱりこの人は女形で観たいなあ。
最後に、舞台後方の扉が開いて、外が見えたのだけど、これって必要?スカイツリーはライトアップしてるわけでもなし、それに、近すぎて、足元のほうしか見えないし。中村座名物なのかもしれないけど、今回は半年以上もやるんだし、演目によってはやめたほうがいいんじゃないかなあ…
扇雀の葛の葉。女房のほうはいいのだが、姫があんまり姫っぽくないような…。なんか、年増っぽくて、姫のかわいらしさがいまいち。狐ぶりもなんだかなあ…。狐って、もっとしなやかで動きが軽やかだと思うのだけど。最後、狐の姿ですっぽんから現れたとき、花の下に▼の赤い印があって、一瞬鼻血かと思ってびっくりした。狐の象徴?なんか合ってない感じがするんだけど。
松也の保名は美し。姿を消した葛の葉を思って泣き崩れるところなど、すごく引き付けられた。女形もいいけど、こういう優男の二枚目もいいな。十種香の勝頼なんかも似合いそうだ。
「積恋雪関扉」
勘太郎の関守、菊之助の墨染、七之助の小野小町姫。踊り上手の3人なので、舞踊劇だけど最後まで飽きずに見られた。ちょうど七三の花道横の席だったので、ほぼ真上を見上げるような形で目のやり場に困ったよ。何度か役者さんと目が合った気がするけど、目をそらすのも変だし。足を踏みならしたり、道具を振り回したりすると、ちょっと怖かった。
関守はほぼ出ずっぱりで踊りっぱなしだったのに比べ、墨染の出番が少なく、少し物足りなく感じたかも。菊之助の踊りをもっと見たかったなあ。
「松浦の太鼓」
勘三郎の松浦鎮信は、筋書きにもあったように「機嫌のいいお殿様」。我が儘放題なのがかわいらしい。ときどきセリフがもたつくようなところがあったのは、病気の後遺症なのかな。ちょっと心配。
菊之助が立ち役の大高源吾。姿はすっきりして美しいし、声も凛としていいのだけど、やっぱりこの人は女形で観たいなあ。
最後に、舞台後方の扉が開いて、外が見えたのだけど、これって必要?スカイツリーはライトアップしてるわけでもなし、それに、近すぎて、足元のほうしか見えないし。中村座名物なのかもしれないけど、今回は半年以上もやるんだし、演目によってはやめたほうがいいんじゃないかなあ…
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